伊豆半島の賀茂地域で唯一出産を受け入れてきた静岡県下田市の臼井医院が対応を終えたことを受け、地元の消防組合が新たなサービスを発表しました。出産が迫った妊婦を救急車で静岡県伊東市などの医療機関まで運ぶサービスです。
賀茂地域で分娩を扱う医療機関が2025年1月限りでゼロになったことを受け、下田地区消防組合を構成する1市4町が2025年4月から救急車による妊婦の搬送サービスを始めることを2月18日に発表しました。
下田市や南伊豆町などに住む妊婦が出産の兆候がある時などに、下田消防本部の消防車を呼び、伊東市や伊豆の国市の医療機関まで搬送する仕組みです。消防車の利用は任意の事前登録制で、サービスの名前は「妊婦サポート119」です。
<南伊豆町健康増進課 宮本利江課長>
「特に南伊豆町の妊婦さんにとっては(出産できる医療機関が)車で片道2時間という遠方になります。妊婦さんやご家族の方たちの不安が少しでも軽減できるようにと思ってこの制度を活用していただければと思っています」
2025年4月の運用開始に向けて保健師が妊婦と面談し、このサービスについて説明するということです。1月で分娩対応を終えた臼井医院に通う妊娠中の女性は、一定の評価をしながらも不安を隠せない様子です。
<南伊豆町に住む女性>
「いいサービスだと思います。まず、分娩できるところがなくなるのは困ってしまう人が多くなると思うのでもっと考えないといけないなと思いますけどね、このサポートだけじゃなくて」
賀茂地域で安心して出産できる環境をつくることが求められています。