年収「103万円の壁」が世の中の注目を集めていますが、こちらは「100円の壁」です。100円以下の商品が多く「食卓の味方」ともいえるカット野菜がいま、値上げの危機に見舞われています。そのワケとは。
浜松市などでキャベツを栽培している「青空農園」です。
<青空農園 汐折太一郎部長>
「通常だと、キャベツとキャベツの間に隙間がないが、このように隙間が空いてて外葉が小さい。キャベツ自体が小さい」
2024年は長雨や残暑などでキャベツの大きさに影響が出ているといいます。
<青空農園 汐折太一郎部長>
「玉が小さいと、僕らみたいな業者はキロ売りをしているので、売り上げが少なくなる」
キャベツが小ぶりになることで購入価格にも影響が出ています。
<田子重西中原店 増田克己店長>
「こちらがキャベツ売り場です」
Q. 価格は?
「税抜き価格で348円です」
こちらのスーパーでは、キャベツの価格が2023年の同じ時期と比べ、2倍以上になっています。
<客>
「1個348円はなかなか。お高いと思います」
<客>
「高くて買えないですね。家族も、こっちのキャベツじゃなくて、カットしてあるのを今はよく使っている」
代わりに手に取る人が多いのが「カット野菜」。使い勝手がよくしかも100円を切る商品も多いのも人気の秘訣です。
<田子重西中原店 増田克己店長>
「こちらは、相場が変わってもお値段は据え置き。今はキャベツが高いので、3割くらい。(数量が)伸びている」
まさに「食卓の味方」といったところです。
<サラダクラブ遠州工場 小栁礼司工場長>
「こちらでは、入荷したキャベツを半割と芯をくり抜く工程になっています」
静岡県森町にある工場では、需要が最も高まるこれからの時期に向けて10万個以上のカット野菜を製造しています。ただ、ここにも、キャベツ高騰の影響が色濃く出ています。
<サラダクラブ広報・広告宣伝部 吉田政道部長>
「千切りキャベツは、130グラムでやっていたが、2か月前の10月に120グラムに抑えさせていただきました。10グラム下げることで、少し生産者の方やメーカーの上がった分のコストを少しだけ吸収できるのかなと」
この涙ぐましい努力も限界に近づいているといいます。
<サラダクラブ広報・広告宣伝部 吉田政道部長>
「エネルギーコストや人件費も上がっているので、そろそろ『100円の壁』。価格のほうを上げていかないと事業として続けていけるのかが課題」
今後は、需要と供給に応じて価格を変える「ダイナミック・プライシング」も検討しているといいます。こちらは越えてほしくない「100円の壁」。野菜を気軽に食べられる日は果たして来るのでしょうか。