浜松市の山間部の市道に設置されていた鉄製の「土留め板」約50枚がなくなっていたことがわかりました。管理する浜松市は盗難の被害届を出す方針で、道路の安全を揺るがす行為に困惑しています。
<浜松総局 寺坂元貴記者>
「ここですね、ここが盗難現場になります。この杭の高さで土留め板が設置されていたはずなんですが、ここから140メートルにわたって全部なくなっています」
風と落ち葉が舞う音しか聞こえない。そんな静かな場所で大胆な犯行が発覚しました。静岡県浜松市浜名区引佐町の市道で盗まれたのは、雨などによる土砂の道路への流出を抑える鉄製の「土留め板」約50枚です。
1枚当たりの幅は3メートル、高さが54センチで重さは約18キロです。11月10日、地元の住民が「土留め板がなくなっている」などと自治会長に報告し、翌日11日に浜松市が状況を把握したということです。現場には犯行の爪痕も…
<浜松総局 寺坂元貴記者>
「現場には土留め板を止めていたとみられる針金がいくつも落ちています。先っぽを見ると何かで切断されたような跡がありますね」
設置されていた板は針金で固定されていましたが、何者かが工具で針金を切断し板を持ち去ったとみられます。管理する浜松市は道路の安全が保たれないと困惑しています。
<浜松市道路保全課 松本匠一課長補佐>
「全く想定していなかったです。おそらく土留め板は重さがそこそこありますので、1人の犯行ではないかもしれない。2人くらいでやっているんじゃないか」
現場は新東名と三遠南信自動車道のインターチェンジがすぐ近くにあり交通の便が良いエリア。鉄スクラップは円安や資源の高騰で価格の高止まりが続いていて、捜査関係者は今回の犯行について転売目的ではないかと指摘しています。
被害額は約24万円にのぼり、市は警察に被害届を提出する方針で、今後盗難対策を検討していくとしています。