「いつもより大きくならない」異常な猛暑の影響がイチゴにも "変形果実"減らすため農家は試行錯誤=静岡県

クリスマスシーズンが近づく中、静岡県伊豆の国市ではイチゴの目ぞろえ会が開かれるなど準備が進んでいます。この数年は「イチゴ不足」が心配されていましたが、2024年の現場は様子が少し違うようです。

10月27日に今シーズンのイチゴの出荷が始まった伊豆の国市。11月15日は、地元の生産者や市場関係者など約150人が出荷が本格化するのを前に規格や色づき、箱への詰め方などを確認しました。

<生産者>
「目ぞろえ会が始まると、やっとイチゴの季節が来たなと言う感じがしますよね」

しかし、生産者からは少し違った声も聞かれました。

<生産者>
「イチゴの最初の実が大きくなるところが、いつもより大きくならない。花が死んじゃったりとかしっかり受粉しなかったりとか」

生産の現場では、何が起きていたのでしょうか。

<東部総局  青島悠記者>
「すごい、もうたくさんのイチゴの苗がなっていますね」
<伊豆の国市のイチゴ農家 飯田寿夫さん>
「全部で本数は2万2000本ほどですね」

伊豆の国市でイチゴを育てている飯田寿夫さんです。「きらぴ香」を中心に約2万株の苗を育ていますが、2024年は異変が起きていると話します。

<伊豆の国市のイチゴ農家 飯田寿夫さん>
「これから採る最初、本当にこれが一番最初の実だと思うんですけど、これがもう今現状、変形果ですよね」

2024年は苗を植えた10月以降も猛暑が続き、ビニールハウスの室温が上昇。受粉がうまく行かず変形してしまった果実が出ています。そこで、飯田さんの農園ではモニタリング装置を使いハウス内の温度や湿度を管理。今後の出荷する果実への影響を減らそうと工夫しています。

<伊豆の国市のイチゴ農家 飯田寿夫さん>
「やっぱり、クリスマスケーキにイチゴがのっているのが一番大事だと思っているので、それに不足しないような感じで生産者とすれば出荷していきたいなと思っています」

<東部総局  青島悠記者>
「もうクリスマスケーキの案内が出ていますね」
<いちごBonBonBERRY伊豆の国factoryパティシエ 山本裕一さん>
「そうですね、こちら伊豆の国ファクトリーでは今年約6種類のケーキをご用意いたしております」

伊豆の国市のイチゴスイーツ専門店です。10月初めからクリスマスケーキの予約を始めましたが、2024年はすでに40件ほどの予約があり、2023年より2倍ほど多くなっているといいます。

一番人気は、イチゴがたっぷり入ったファクトリーショートです。そんな中、お店には悩みが…

<いちごBonBonBERRY伊豆の国factoryパティシエ 山本裕一さん>
「イチゴ以外の物が値上げをしているので、クリスマスケーキ自体を値上げせざるを得ないような状況になってしまって」

店ではそれでも美味しいケーキを届けたいという思いでケーキの準備を進めています。

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