"デジタル×防災"で子どもの防災力向上へ 「タブレット分かりやすい」自分事に捉える身近な備え【わたしの防災】

こちらは、浜松市のハザードマップです。インターネットではこのような防災情報を簡単に見ることができ、災害への備えもデジタル化が進んでいます。

10月は国のデジタル月間。子どもたちの防災力を高めようと、デジタル分野と防災分野の組み合わせが注目されています。

「こんにちは」

浜松市の防災学習センターで開かれた「デジタル防災教室」です。講師は防災士の資格をもつ職員。子どもたちが手にしているのはタブレットです。

<講師>
「赤色の所は震度が7って書いてあると思うんだけど」
<参加した子ども>
「赤ばっかりだ」
<講師>
「南海トラフ巨大地震という予想される地震が起きると、この赤い地域は震度7の揺れが予想されています」

浜松市のハザードマップを初めて見た子もいます。自分の身は自分で守る。将来予想される大地震に備え、子どもの防災力は重要ですが課題もあります。小学4年生から中学生3年生の子どもを持つ保護者1000人を対象にした防災に関する調査です。約3割の保護者が子どもの防災意識が、低いと感じていると回答。

防災意識が低いと答えた保護者の多くは、「子どもが自分事としてとらえられていない」としています。防災を身近なものとして考える一手として期待されるのがデジタル技術です。

「おうちの中から行きますよ」
「子ども部屋の危険な場所はないかな?」

<子ども>
「(床が)散らかっている」
「金魚鉢」

インターネット上で遊びながら学ぶ防災のシミュレーションクイズです。

<浜松市防災学習センター 落合秀真防災士>
「家の中が危険だと外に逃げられないよね。」
「いけない」
「家の中をきれいにしないと逃げられないよね」

学校でもタブレット端末が普及する中、デジタル機器を生かした防災は親しみやすい取り組みです。教室では同年代の小学生が身近な場所で被害に巻き込まれたケースも紹介されました。

2018年、大阪府北部で震度6弱の揺れを観測した「大阪北部地震」。大阪府高槻市の小学校ではプールを囲っていたブロック塀が倒れ9歳の女の子が亡くなりました。

子どもたちはタブレットをもって地域を歩きました。アプリ上で災害で倒壊のリスクがあるブロック塀の場所などを記録し、避難経路の安全性を確かめます。

<浜松市に引っ越してきた 親子>
「土地勘もないところで地震がきると怖いなと思い、身近なスマートフォンやタブレットを使いながら町を歩きながら危ないところを探すのは、日ごろから意識できるポイントになるのかなと」

<参加した子ども>
「タブレットだと動くし分かりやすい」
「地震のことが分かりやすい」

<浜松市防災学習センター 落合秀真防災士>
「災害が起きてから情報を集めようと思ったら命を守る行動で精いっぱいだと思う。デジタルというのは身近なものなので、身近なものと防災が関わることで防災を継続的に考えてもらえることがメリットだと思う」

デジタル技術を活用して子どもの防災力向上へ。実践に生かす取り組みが進んでいます。この教室で子どもたちが活用したのは、インターネット上でいずれも無料で使えるものです。県や自治体なども防災アプリを発表するなどデジタルを活用した家庭で手軽にできる防災への取り組みは、いま進化しています。

通信アプリのLINEは、震度6以上の地震が発生した際などに出てくるこちらの画面からボタン一つで、友だちに状況を共有することができるサービスを提供しています。

2024年1月の能登半島地震では、全国の1200万人以上が活用したとされています。一方で、高齢者などへの普及は課題のため、災害が起きる前に、デジタルの活用方法などについても、家庭内で話をしておくことが、大切です。

「あしたを“ちょっと”幸せに ヒントはきょうのニュースから」をコンセプトに、静岡県内でその日起きた出来事を詳しく、わかりやすく、そして、丁寧にお伝えするニュース番組です。月〜金18:15OA

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