清水エスパルスの秋葉忠宏監督が激白!J1昇格への覚悟「残り試合、最初からフルスロットルで相手を殴りにいく」
清水エスパルスの秋葉忠宏監督が9月14日(土)のホーム山口戦を前に、報道陣の囲み取材に対応しました。残り9試合。「最初からフルスロットルで相手を殴りにいく」とJ1昇格に向けた覚悟を口にしました。
一問一答
ー前節の長崎戦は1−1ドロー。今週のトレーニングはどうだったか。「長崎戦の勝ち点1をより大きなものにするには、ここからの3連戦、国立での試合を含めた今月の残り4試合が大事だと選手には伝えた。自分たち次第だということは選手たちは分かっている。
次こそは必ず勝ち点3を取るんだという強い気持ちを感じている。この暑さにも負けず、非常に元気よく、気持ちも乗りながらやってるいる」
ー残り9試合となり、3位長崎とは勝ち点8差。順位や勝ち点など外部環境によって変わる部分はあるか。
「今の時点で9試合を残して8ポイント差。よく言われる『ポイント差が残り試合よりも少なければひっくり返る』ということを考えれば、まだひっくり返される可能性がある状況にいる。
いつも通り、目の前のゲームに一戦必勝で勝ち点3を取ること。次の結果、ポイント差を見て、またいろいろ考えると思うが、現時点では、ホームの山口戦で勝ち点3は絶対条件になってくると思う。そこに向けて今、全神経を集中している」
ーレノファ山口には前半戦で負けている(0−2)。山口に対する印象は。
「全員がハードワークすること。リスクをあまり犯さずに長いボールを使ってくること。長いボールを入れ込みながら、早い判断や切り替えでセカンドボールを奪って、クロスを上げてくる。リスクをかけないような攻撃の仕方をする。それが奏功して、上の順位にいる。最大限注意して対応できるようにしたい。
我々が前に掛かりすぎると、長いボールを蹴られて、セカンドボールの対応が少し後手を踏んだりする時もあるので、そこのさじ加減。前に行かなければフリーで蹴られてしまうし、行き過ぎたら頭を越されてボールを拾われる。バランス感覚みたいなものは大事にしたい。
だけど我々のホームなので、主導権を握りながら、いつも通りに圧を掛けながら、相手コートでプレーできるように。常にゴールに向かいながら、人がどんどん追い越していって、ラインブレイクするような。ゆったりするつもりは全くない。常にゴールに襲いかかり、湧き出るような攻撃ができるように、いつも通りやりたいなと思う」
ー前回の対戦時はバランスの部分が少し狂ったというか、そこを相手にうまく利用されたような展開だったが。
「今はホームだろうとアウェーだろうと、距離感が抜群に良くなっている。アウェーで勝てなかった時は、距離感の部分でバランスが悪くなったり、間延びしちゃったりしたが、今はホームもアウェーも関係なく、攻守において非常にいい距離感。手応えを感じている。大崩れすることもないし、相手に主導権を握られることは考えづらいというぐらい良い状態を作れている。
その中でもホームで戦えるので、サポーターファミリーの一体感を持って戦えれば、主導権を握る時間は増えると思う。一瞬の隙や気の緩みみたいなものをなくして、最初からフルスロットルで相手を殴りにいく。我々から仕掛けにいくってことを忘れずに、また戦いたいなと思う」
アウェーで勝てなかった原因
ー自陣でセカンドボールを拾う場面が増えている。何か着手したことがあるのか。「映像を繰り返し見せて、グラウンドでも『これが我々の距離感だよ』っていう話をしてきた。悪い時の映像を見れば一目瞭然。どれだけ間延びしていたか。縦だけでなく横の距離感も。勝っている時と、そうじゃない時。手応えを感じる時とそうじゃない時の距離感は映像で見るとすごく違う。
今は繋がり合っている。縦も横も繋がるから良い攻撃ができる、良い守備ができる。本当にいい循環になっている。キャンプからずっと積み上げてきたものが、より成熟してきたなと思う。
ここからその距離感がまたおかしくなっちゃうってことは考えづらいぐらい。やり込んでやり込んできた成果が今、出ている」
ーアウェーでは、何が距離感を悪くさせていたのか。
「正直に言うと、僕自身も『戦い方どうしようか』とか『前半は別に0だったらいいよ』とか、我々らしくないことを僕自身がしちゃっていたなと思う。最初から超攻撃的に、アグレッシブに。ホームだろうとアウェーだろうと、前に行くから相手は嫌がっていた。
相手が清水エスパルスを嫌がってるのに、我々が相手に合わせてしまった。アウェーの時はホームと戦い方を変えようとか。結果が出なかったことによってちょっと相手に合わせてしまったところがあった。
でも、よくよく考えると、相手がいろいろ考えればいいことで、僕ら考えることではないなと」
ーこちらは横綱相撲みたいな形でいいと。
「そう。我々が積み上げてきたものを攻守においてやる方がいい。どのみち相手は当たり前に変化してくるんだから。そこにいちいち頭を悩ませても…。結局どうするかは相手が決めることで、僕らが決めることじゃない。相手が突拍子もないことをしてきたりすることもよくあるが、そこにちょっと頭が行き過ぎていた部分があった。
選手に申し訳なかったと思う。もう一度、我々がやってきたこと、やるべきことが何かということを突き詰めた方がやっぱり案の定相手が嫌がるなと。まずは自分たちがやるべきことをしっかりやろうぜとなっている。
そっちの方が選手も伸び伸びと力を発揮するなとやっぱり思った。戦いながら相手の変化を見て、対応していけば十分だなと。もっと早く僕自身が提示できればよかったなと思う。そこからはもう本当にぐっと良くなってきた」
「僕自信、すごく自信がある」
ー今、良い順位にいる。ここから逃げ切るために必要なメンタリティーは。「昨年の経験をしっかりと生かさなければいけない。慌てたり、バタバタしたりせず。やっぱり日常を大事にしようという話はしている。
ビッグマッチだからこの1週間は急に頑張るとかじゃなくて。この清水エスパルスのエンブレムを背負っている限りは、常に絶対やるんだと。ホームでもアウェーでも練習でも、グラウンドに入ったらどんな時でも100%、これぐらいでいいんだっていうプレーはやめようぜって話をずっとしてきた。
毎日やり続けるって実はすごいしんどいことだけど、これをやってるから、何も変える必要はない。その自信が選手たちにも伝わるし、これが勝負強さとか我慢強さに繋がってると思う。昨年は正直言うと、ぐちゃぐちゃと自分たちから崩れるチームだなと感じていたが、今年はそういうことが全然ない。
自分たちから崩れない我慢強さを持つ。自分たちがやるべきことにフォーカスしたらやりきれる。その強さは今年絶対的にある。だから、一喜一憂せずに。最善の準備をして、最大限の力でゲームをする。
あと9試合、僕自身すごく自信があるし、非常に残り9試合が楽しみ。最後に成功体験に持っていき、また経験値が上がって、これがJ1につながっていく。J1でも勝ち続けられるチームや選手はやっぱりそういうメンタリティを持ってると思う。
それはJ3でもJ2でも同じ。昇格してきたチームがまず1回躍進するというのは、勝ち慣れた1年間を過ごしてきたから。町田さんのように。常勝軍団のメンタリティとか勝者のメンタリティを植え付けたい。今それがかなり育ってきている。
だからこそ、最後までちゃんと昇格、優勝っていうことを見せたい。より確かな自信や本物の力になると思っている。ここまで来たので、最後までやりきって、結果もついてくるようにしたいなと思う」
ーこの3連戦はどんなマネジメントを考えているか。
「いろんな側面から、何パターンも考えている。他チームの状況や、藤枝戦は14時半キックオフであることとか、水曜日に試合があるのは我々と徳島だけということ、とか。
いろいろなことを加味しながら、何パターンか頭に描きながら。一つに決めるのではなく柔軟に。いろんな状況に応じて、いつでも変化できるように、いろんな選択肢を持ちつつ、3連戦に向けて準備したいなと思う」
ー今日(9月12日)はミーティングが念入りだった。
「選手はいつもディスカッションをするので、それが長くなった。山口の映像と昨日までのトレーニング映像を見せた後、修正点が選手からもものすごい出てきた。最後に決めるのは僕だが、いくらでも話は聞く。やるのは選手たちなので、選手がしっくりきたことをやらせてあげたい。
押し付けるのは簡単だが、その方がパワーを発揮すると思う。自分が『もう少しこうしてくれたら』と思っても、全員が同じ方向を向くのが一番だと思う。非常に僕としてはありがたい。選手からそういう発言が出るのを嫌がる監督もいるが、僕は全然嫌じゃない」
ーこれまであまりターンオーバーは使ってこなかったと思うが。
「昨年はめちゃくちゃ連戦があったが、今年は連戦はほぼなかった。今回の徳島戦もイレギュラーな連戦(台風の影響で中止になった試合の代替開催)。だからこそ、ちょっと本当にどうするか。
疲れも出てくる。9〜10月は統計的に見てもJリーグで一番けが人が出る時期。選手が怪我なくシーズンをやり切ることは我々にとってもすごく大事なことなので、いろいろなことを踏まえながら準備したいなと思っている」
ー秋葉監督の采配が問われる。
「そうですねえ。大いに期待してください(笑)プレッシャー掛けますねえ。でも、ここを乗り切れば、僕自身も力が付き、J1でも自信を持って戦えるようになると思っている」
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