
「キーワードは刷新感」自民党総裁選の構図を現在政治分析のエキスパートに聞く

9月12日に告示された自民党総裁選。現在政治分析のエキスパートで、静岡の地方政治を長年研究する白鳥浩法政大学大学院教授の解説を交えて構図を確認します。
まずは、2024年1月時点での自民党の各派閥に所属していた議員数は、すでに解散している派閥もありますが、最も多い安倍派が99人、麻生派が56人、茂木派が53人などとなっています。

そして、今回立候補した議員と派閥の関係ですが、茂木派からは、茂木幹事長と加藤元官房長官、旧岸田派から上川外相と林官房長官が立候補するなど、顔ぶれだけ見ると、派閥に縛られていないようにも見えますが、白鳥教授はどんなことを感じますか。

<法政大学大学院 白鳥浩教授>
「今回、派閥なき総裁選というふうに言われているわけなんですけれども、ところが推薦人の顔ぶれを見ていると、かなり派閥に縛られている、そういう方もいるなという印象ですね」
一方で、上川外相の推薦人20人のうち、9人が麻生派。これはどう考えたらいいでしょうか。
<法政大学大学院 白鳥浩教授>
「そこには、やはりキングメーカーの麻生さんの一つの意図というのが見え隠れする。麻生さんはそもそも上川さんも非常に高く評価していたということもあるので、そこでやはり力を貸しているというところがあるんだと思いますね」
新総裁の「刷新感」について、4つのキーワードをもとに、誰がそれぞれのワードに当てはまるか。まず、「ジェンダー」という意味でいうと「日本初の女性総理」という言葉も出ていますが、どなたでしょうか。
<法政大学大学院 白鳥浩教授>
「まずは今日の出番からいうと高市さん、そして上川さんというこのお二人が、やはり初の女性総理候補というところでは、ジェンダーという刷新感がある」
次に「若さ」という観点です。
<法政大学大学院 白鳥浩教授>
「これまで総理総裁というのは、非常に年を重ねた方がやっていらっしゃったということがありまして、急に40代、小泉進次郎さん43歳、小林鷹之さん49歳という方がこの若さを体現しているというふうに言ってもいい。やはりこの刷新感というのが重要なんだと思うんですね」
「岸田総理との距離感」はどうでしょうか。
<法政大学大学院 白鳥浩教授>
「岸田さんからやはり変わったということで刷新感も出てくる。そこで言えばずっと冷や飯を食わされてきた、石破さんというのが、岸田さんから一番遠い。あ、変わったな。岸田政権から変わった。そういう刷新感が出ると思うんですね」
そして、ベテラン勢は「政策」で勝負というところになるんでしょうか。

<法政大学大学院 白鳥浩教授>
「そういう属性として、刷新感というのがなかなか出せない方ということになりますと、ほかの方はもうこの政策で戦うしかない。しかもですね。恐らくその岸田政権でやってきた政策というのも、ある程度捨ててやるしかない。そういう政策的な刷新感というのを見せていくだろう。今回のキーワードは刷新感。それぞれ説明をしていくとこういうことになるだろうということです」
静岡県内議員では、上川外相が「初の女性総理」というところを強調していますが、今後、どう差別化を図るべきだとお考えですか。
<法政大学大学院 白鳥浩教授>
「まずはやはり初の女性候補を目指すというところで、もう一方の女性候補・高市さんとどこが違うかというところをやっぱり見せていくことが女性票を集めていく一つの方策になるだろうと思います。やっぱり差別化していく他と違うということが抜け出していく。その理由になると思うんですね。やはり女性政策みたいなものをもっと強く打ち出していく必要がある。人口の半分は女性ですから、それをもっと表現していくことが必要なんだろうと思います」
過去最長となる15日間の総裁選を各候補者がどう戦い抜くのか、注視していく必要があります。
「あしたを“ちょっと”幸せに ヒントはきょうのニュースから」をコンセプトに、静岡県内でその日起きた出来事を詳しく、わかりやすく、そして、丁寧にお伝えするニュース番組です。月〜金18:15OA