6月7日、リニア期成同盟会が要望した「静岡空港に東海道新幹線の新たな駅を設置する構想」についてです。長年の紆余曲折を経て再び、熱を帯び始めた経緯を振り返ります。
2009年に開港した富士山静岡空港。空港へのアクセスの向上のため、東海道新幹線の新たな駅を求める動きが強まり始めます。

<静岡県 川勝平太前知事>
「空港新幹線駅につきましても当然申し上げると」
2013年、静岡県の川勝平太前知事は当時の国土交通大臣に、空港新駅の設置について理解を求めるなど積極的に働きかけます。しかしー

<JR東海 山田佳臣社長(当時)>
「400億円かけてお造りになりたいとおっしゃっているのは、よく意味が分からない」
JR東海は、当初から「高速で都市間を結ぶ新幹線の性能が発揮できなくなる」などとして、新駅設置について否定的な考えを示しています。その後も議論が前進しない中、転機が訪れます。
リニアの期成同盟会が、空港新駅を設置する構想を発表したのです。リニアの早期建設の機運を高めようと研究会を開き、議論した案でした。そして、5日に開かれた鈴木康友知事とJR東海の丹羽俊介社長とのトップ会談でも、空港新駅について意見が交わされました。

<JR東海 丹羽俊介社長>
「静岡県さんの考えを受け止めながら、対話をすることが大事だと、対話をしていきましょうと」
<静岡県 鈴木康友知事>
「可能性としてどうか、またコミュニケーションをとろうと丹羽社長から回答いただいた」

再び熱を帯び始めた空港新駅の議論は、リニア問題解決の糸口になるのでしょうか。ところで、空港新駅を作るとなると、お金がいくらかかるのか。静岡市の難波喬司市長は、5日の定例会見で「静岡県の副知事をしていた時の試算として、当時の金額で450億から500億円、今ならば700億円くらいはかかるプロジェクトではないか」と話しています。こうした費用と効果についても今後、検討が必要です。