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「毎日食べられなくなってしまう」「不安しかない」ラーメンもパンも「困った」34年ぶりの円安で大打撃

止まらない円安が静岡県内の飲食店の経営を脅かしています。国際情勢の不安定さから、4月16日の東京市場で円相場は1ドル=154円台に。物価や人件費の高騰も相まって、ラーメンやパンにも、じわじわと影響を及ぼしています。

濃厚な鶏白湯を使ったラーメン。浜松市浜名区にある麺屋カモメ亭は、昼間は行列ができるほどの人気店ですが、昨今の円安が経営体力を奪っています。

<麺屋カモメ亭 大石善正店主>
「毎日のようにお肉屋さんとやり取りしてまして、今いくらになったとかのようなやり取りをして、その都度安いところ物自体があるところとやらして頂いているかたち」

4月16日の東京市場では円相場が1ドル=154円台で推移。34年ぶりの円安は食材を輸入に頼る飲食店にとって大打撃です。

チャーシューに使う豚肉や鶏白湯スープに使用される鶏肉などは外国からの食材で円安はダイレクトにコストアップにつながります。今は何とか値上げをせずに持ちこたえていますが、先行きは見通せません。

<麺屋カモメ亭 大石善正店主>
「ラーメンでも1000円超えたり1500円超えたりが当たり前になってきてしまうとなかなか皆さんが毎日食べれなくなってしまう不安がある」

円安の影響はこんなところにも…。

<OMOTE BAKERY 山口晴久統括マネジャー>
「これから旬になるシラスチーズ、シラスの中にチーズが入ったシラスチーズパンになります」

浜松市中央区にあるオモテベーカリーでは、常時40種類のパンを用意しています。

<来店客>
「(子どもが)このパン屋さんのおかげでパンが好きになっちゃって、クロワッサン食べて好きになって、毎回毎回パン屋さん、パン屋さんって」

こちらの店は、円安によって小麦粉の価格が上がることを懸念しています。

<OMOTE BAKERY 山口晴久統括マネジャー>
「不安しかないです。これが上がっちゃうとほんとに生命線というか。お客さんにただ負担をかけないように金額的にはそのまま据え置きでいければと思っている」

東京商工リサーチによりますと、2023年度のパン店の倒産件数は、2022年度に比べおよそ2倍に。オモテベーカリーでは、主に外国産の小麦を使っていますが、ロシアによるウクライナ侵攻で小麦の相場が高騰し続けているため、原料を国産にシフトすることを検討しているそうです。経営上の悩みは、原材料費だけにとどまりません。

<OMOTE BAKERY 山口晴久統括マネジャー>
「人削ろうっていうと他の人に負担が、一人一人の負担が大きくなっちゃうのでちょっとそこも今すごい悩んでいます」

ズバリ、人件費の上昇です。店では人件費を削るため午後2時以降は1人体制に。さらにパンの製造をやめて、販売だけに切り替えます。

<OMOTE BAKERY 山口晴久統括マネジャー>
「平和な世界になって、原価の方も下がって相乗効果でいい方向に向いてくれればいいと思います」

大きな転換点を迎えている飲食業界。円相場や原材料価格はどうすることもできず、その行方を固唾を飲んで見守っています。

「あしたを“ちょっと”幸せに ヒントはきょうのニュースから」をコンセプトに、静岡県内でその日起きた出来事を詳しく、わかりやすく、そして、丁寧にお伝えするニュース番組です。月〜金18:15OA

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