6月の県議会で辞職すると表明していた静岡県の川勝平太知事ですが一転、4月10日午前に辞表を提出する方針です。早ければ5月にも行われる知事選、“ポスト川勝”をめぐる動きが加速しています。

＜静岡県　川勝平太知事＞
「私の言動が、世間を大きく騒がせることになりまして、皆様の中に不愉快な思い、あるいは傷ついた人がいたならば本意ではございません。どうぞ、お許し下さい」

9日も謝罪を続ける川勝知事。静岡県立大学の入学式の祝辞で職業差別とも受け取れる発言について陳謝しました。

＜JA静岡中央会　鈴木政成会長＞
「日々奮闘している農業者を愚弄する発言。決して看過できない」

川勝知事の発言を受け、9日、農業関係者が県に抗議の声明文を提出しました。

＜JA静岡中央会　鈴木政成会長＞
「農家の皆さんが日々、大変様々な苦労をしながら食料の生産をしているっていうその実態に対して、まるでその努力を無にした発言にまずは驚きと怒りを感じた」

＜静岡県　川勝平太知事＞
「削除いたしまして、撤回いたします」

6月の県議会で辞職すると表明していた川勝知事ですが一転、10日午前に議長に辞表を提出する方針です。知事選は早ければ5月9日告示、26日投開票となる見通しです。

異例の短期決戦に向け、動きが加速しています。

三島市長の元を訪れたのは、8日出馬を表明をした大村慎一さん(60)です。元総務省の官僚で、静岡県の副知事も務めていた大村さんは、県内各地を訪れ出馬の挨拶をしています。

＜三島市　豊岡武士市長＞
「(大村さんは)本当に人柄もいい方ですし、それから行動力もありますし。真剣にその各市町長さんのご意見も聞いてくださる方ではないかなという風に思っています」

＜知事選への出馬を表明した　大村慎一氏＞
「今回、県政を立て直すということでは特に、東部・中部・西部のエリアみんなで静岡県の県政を立て直していきたい。そういう気持ちでやっておりますので」

一方、知事選をめぐっては前の浜松市長の鈴木康友さん(66)も出馬を前向きに検討しています。鈴木さんは関係者らと対応を協議し、近日中に出馬の可否を判断するとみられます。

こうした中、自民党静岡県連は9日、静岡県内選出の国会議員が集まり、知事選に関する情報共有を行いました。

＜自民党静岡県連　城内実会長＞
「中部出身であるとか、西部出身という観点から、この人を応援したいという方はもしかしたら、いらっしゃって当然だと思うが、特に具体的に、『私はこの人でやらせてくれ』とかという話はない。何回も言うけど(動きが活発化したのは)きのうですからね、まだ、私の耳には届いていない」

関係者によりますと、自民党の県連内では、大村さんと鈴木さんで意見が分かれていて、鈴木さんの出馬が正式に決まれば、自主投票となる可能性もあるということです。

一方、長年、川勝知事を支えてきた県議会の第二会派ふじのくに県民クラブも会合を開きました。

＜ふじのくに県民クラブ　田口章会長＞
「とにかく丁寧にやっていこうとは思っている。超短期決戦なので」

さらに、静岡県内企業の労働組合でつくる連合静岡も動き出しています。

＜連合静岡　角山雅典会長＞
「働く者のための政策をしっかり県政としてやっていただける方、そういった方を選んでいく必要があるんじゃないかという話を今再確認をさせていただいた」

超短期決戦となる見込みの知事選。与野党の判断が注目されます。