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河治良幸

サッカージャーナリスト河治良幸

藤枝MYFC、アスルクラロ沼津の補強動向を整理してみた。期待の新戦力は?

サッカーJリーグ2024年シーズンに向けて戦力を整備中のJ2藤枝MYFCと、J3アスルクラロ沼津。それぞれ12月30日時点で公式リリースされている移籍情報から、補強動向と必要な戦力を読み解く。

藤枝MYFC:育って旅立つことはネガティブではない

2024年も超攻撃的エンタメサッカーを貫けるか…


気鋭の須藤大輔監督が率いる藤枝はJ2昇格元年で12位フィニッシュを果たし、さらなる躍進が期待される。クラブが成長段階にあり、育った選手がJ1などに旅立つのはポジティブな話だ。なぜならば、それだけ外部の評判が良くなり、好タレントが成長やステップアップを求めてやってくるからだ。

10番を背負って攻撃を引っ張ってきたMF横山暁之が同じJ2の千葉に移籍したが、J3のFC大阪で後半戦にブレイクしたMF西矢健人が加入。FWには札幌から昨シーズン名古屋でプレーした”大器”中島大嘉が加わった。まだ規格外の身体能力を持て余している感のある中島が、須藤監督の指導でどう化けるかは楽しみな要素であり、藤枝のチーム成績に直結するかもしれない。

またディフェンスラインにはブラジル人のウエンデルとカルリーニョスを補強。22歳のFWアンデルソンを除くと、なかなか外国人選手がチームにフィットできていない状況だが、2人のDFが藤枝の守備を強固なものにできるか。

センターバックは磐田から期限付き移籍していた中川創が完全移籍となり、本格的なレギュラー獲りに挑む。そしてGKはJ2昇格の立役者だった内山圭が鳥栖から期限付き移籍で戻ってきた。2000年生まれの北村海チディとのハイレベルな競争が期待される。

アスルクラロ沼津:持井の完全移籍が昇格への追い風に

元日本代表FW川又堅碁は契約更新


”ゴン”こと中山雅史監督が率いる沼津は現在J3でチーム力を高めている。ホームスタジアムの照明改修プロジェクトなど、地元の努力が実り、ついにJ2ライセンスを取得した。2024シーズンは本格的に昇格を目指すことになる。

13位からのジャンプアップを果たすための足掛かりとして、東京ヴェルディから期限付き移籍していたMF持井響太を完全移籍で獲得した。7得点をあげた司令塔はポゼッションから崩しのアクセント、フィニッシャーとしても振る舞える。中盤では徳永晃太郎の契約更新も大きい。

アタッカー陣では13得点のブラウン・ノア賢信がJ2徳島に移籍したが、右ウイングで奮闘した津久井匠海は横浜F・マリノスから完全移籍という形で残留が決まった。

センターフォワードはおそらくブラウンノアに代わる補強に動いているはず。中盤はFC東京のアカデミー育ちである沼田航征に即戦力としての期待がかかる。新潟経営大から加入した左利きのDF宮脇茂夫は特別指定選手として11月26日にJ3デビューしており、左サイドの鋭いアップダウンと正確なクロスが発揮されれば、ブレイクの期待は高い。

2023年は一時上位争いに加わりながら、シーズン終盤に失速したことは昇格を目指す上でクラブの明確な課題でもある。ある程度、現有戦力が残る分、ベースは固めやすいだけに、大卒ルーキーも含めた新戦力をうまく融合させて、勝ち点を取りながら選手層を厚くしていきたい。

<河治良幸>
タグマのウェブマガジン「サッカーの羅針盤」を運営。 サッカー専門新聞「エル・ゴラッソ」の創刊に携わり、現在は日本代表を担当。プレー分析を軸にワールドサッカーの潮流を見守る。著書は「ジャイアントキリングはキセキじゃない」(東邦出版)「勝負のスイッチ」(白夜書房)「解説者のコトバを聴けば サッカーの観かたが解る」(内外出版社)など。
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タグマのウェブマガジン「サッカーの羅針盤」を運営。サッカー専門新聞「エル・ゴラッソ」の創刊に携わり、現在は日本代表を担当。世界中を飛び回り、プレー分析を軸にワールドサッカーの潮流を見守る。

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