＜店員＞
「仕上げにモンブランペーストを絞ります」

綺麗に絞られたモンブランペースト。今回のしずおか産は、静岡県掛川市の特産品の栗を使用した「掛川栗のしぼりたてモンブランパフェ」。

提供しているのは、県内に20店舗以上を構える菓子メーカーの「たこ満」です。店内では次々に注文が入り、注文した客は見た目から楽しんでいる様子でした。

＜客＞
「おいしいです。（ペーストが）濃厚です。すごい濃厚」
「ネットで見かけて食べたいなと思って。おいしいです、本当に」

紅茶を練り込んだメレンゲ、生クリーム、バニラアイスなどでつくられた土台を覆うのは、掛川栗の比率を最大限に増やして作られたモンブランペーストです。最後に甘く煮た栗を添えたら…完成です！

＜坂口将也記者＞
「では早速頂きます。ペーストがものすごく濃厚で、口の中に栗の香りが広がってとても美味しいです」

日照量が多い遠州地方で作られることから、大粒で甘く、豊かな風味が特徴の掛川栗。栗といえば秋の味覚のイメージですが、たこ満では掛川栗の魅力を伝えるため、このパフェを年間通して販売しているといいます。

掛川市北部にある栗園、くりくり園です。

Q.これ全部栗の木?
「全部栗の木です」
Q.もう実がなってるんですね?
「まだまだこれから大きくなりますね」

実は、このパフェに使用している掛川栗、「たこ満」の社員が自ら栽培しているのです。近年、高齢化や後継者不足が理由で、生産者が激減している掛川栗。そうした課題を解消したいと、廃業を検討していた栗園を2年前に「たこ満」が引き継ぎ、自社農園化しました。現在は3人の社員が本業のかたわら栽培を担当しています。

＜たこ満設備課　小楠信男さん＞
「大変ですね。私も草刈りやったのもここで初めてなんですよ。今の時期ですと栗が落ちる前に草刈りばっか、この暑い中。そういう状況です」

手入れや害虫対策などを一から学び、初めての収穫となった2022年は約4トンの収穫があったといいます。なぜ、地元の菓子メーカーが、このような取り組みをするのでしょうか。

＜たこ満SDGs推進部　廣瀬勇人部長＞
「掛川栗の生産というのは『地域の宝』という風に思うので、それをどうにか守りたいと、菓子店として出来ることは何かということで手を挙げた。県内の方も、県外から静岡に来た方も、掛川栗の美味しさに気付いて頂ければありがたい」

掛川栗の良さを存分に活かしたモンブランパフェ。地域の宝を未来へつなぎます。