フェーズフリーで備えよう

今回、お話を伺ったのは子ども向けの自然体験活動などに取り組む認定NPO法人しずおか環境教育研究会(静岡市駿河区)の理事長で、防災士の資格を持つ東山浩子さん。東山さんはアウトドアや防災用品を日常生活でも取り入れ、用途や使用場所に境目を設けない「フェーズフリーの考え方が大事」と話します。一つの道具を自由な発想で使うこともポイントだそう。たき火台はキャンプで楽しむだけでなく、煮炊きや暖を取るのにも使える便利な道具。燃料も市販の薪だけでなく、拾い集めた木切れや松ぼっくりが代わりに。
コットで寝心地アップ!

体育館の固い床や地面に身を横たえると体が痛む上、長期の避難生活では下からの冷気や病気への感染リスクも気になります。「コット」と呼ばれる組み立て式の簡易な寝台は寝心地アップに貢献するほか、ベンチとしても活用できます。
レインポンチョは多用途で便利

「1つは持っておくとよい」と東山さんもお薦めなのが、頭からすっぽりとかぶるタイプのレインポンチョ(雨具)。透けにくい素材と色を選べば雨をしのぐだけでなく、防寒用の上着、着替えやトイレ、授乳時の目隠し代わりになります。

白いポリ袋をかぶせればランタンの代わりになるヘッドランプや調理、まき割り、小道具作りに活躍する小型ナイフなどもあると便利な一品です。
アイデアグッズも続々

生活雑貨を扱う「ハンズ浜松店」(浜松市中区)によると、近年はアウトドアと防災、日常生活などさまざまなシーンで役立つグッズも続々と登場しているそうです。一見するとクッションのように見える商品は中身を引っ張り出すと寝袋に早変わり。防寒用の毛布にもなります。生活に欠かせないスマートフォンの充電に役立つのは、USBポート付きの太陽電池シート。日の当たる場所で広げ、ケーブルで接続すれば観単に充電できます。発熱剤を用いることで、火を使わずに湯沸かしや食品が温められるバッグなどもあります。