ミカン「摂取で長寿」研究 浜松医大など三ケ日住民を追跡

 浜松医科大(浜松市東区)、同志社女子大(京都市)と浜松市は19日、ミカン特産地の同市北区三ケ日町の住民に長寿傾向がみられる要因としてミカンをよく食べる習慣が関連しているとの仮説を裏付ける目的で、追跡調査を始めたと発表した。2027年まで住民477人の健康データを調べる。

摂取と長寿の要因調査が始まるミカン=浜松市北区三ケ日町
摂取と長寿の要因調査が始まるミカン=浜松市北区三ケ日町

 浜医大の中村美詠子准教授、同志社女子大の杉浦実教授と市の担当者が同日、市役所で説明した。3者によると、00年当時、旧三ケ日町の平均寿命(男79・2歳、女86・3歳)は全国平均(男77・7歳、女84・6歳)や県平均を上回った。原因を調べるために03~13年に同町や農業・食品産業技術総合研究機構、浜医大が住民約千人を追跡調査した「三ケ日町研究」により、ミカンの摂取が生活習慣病予防に有効と確認された。
 三ケ日みかんなどのウンシュウミカンには色素成分「β―クリプトキサンチン」が含まれ、毎日3、4個食べる人は食べない人より血中の同成分濃度が高く、糖尿病や動脈硬化を起こす人が少なかったという。
 新たな調査は「三ケ日町アクティブエイジング研究」と命名。協力者の同意を得て、市は健康診断結果や介護認定情報などの公的データを提供する。中村准教授は「行政と大学の協働により、健康長寿を推進する新たなエビデンス(根拠)が生まれれば」と話した。

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