安倍川水力発電所、着工 中部電力、24年の運転開始目指す

 中部電力は13日、静岡市葵区の安倍川上流に整備する中規模の水力発電所「安倍川水力発電所」の建設工事を開始した。再生可能エネルギーの拡大に向けた事業で、年間発電量は一般家庭約1万2500世帯分に相当する約3900万キロワット時を想定。2024年12月の運転開始を目指す。

安倍川上流に設置されるえん堤の予定地周辺。点線部分の辺りまで建設される=静岡市葵区(中部電力提供)
安倍川上流に設置されるえん堤の予定地周辺。点線部分の辺りまで建設される=静岡市葵区(中部電力提供)
安倍川
安倍川
安倍川上流に設置されるえん堤の予定地周辺。点線部分の辺りまで建設される=静岡市葵区(中部電力提供)
安倍川

 中電によると、安倍川の本流に水力発電所が建設されるのは初めて。17年の計画時よりも詳細に設計して効率の高い水車や発電機を採用し、発電出力は400キロワット多い7500キロワットに増加した。年間発電量も当初計画より100万キロワット時多くなった。
 同発電所は葵区入島に幅65メートル、地下4メートル、地表4メートルのえん堤を建設し、最大毎秒7トンを取水する。約4・8キロの導水路トンネルで同区有東木の発電施設まで水を送り、約123メートルの落差を利用して水車を回し発電する。利用した水は発電施設から本流に戻す。
 中電によると、同発電所は規定よりも規模が小さく、環境影響評価(アセスメント)の適応対象ではない。ただ、河川法に基づき国と協議し、えん堤から発電所までの本流の流量について毎秒0・41トンを維持することを決めた。静岡県とは6月に県自然環境保全条例に基づく協定を結んだ。

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