動画で史跡巡り、学芸員が解説します 興国寺城跡や高尾山古墳など沼津市内5カ所
沼津市は16日から、市内の代表的な史跡や寺院計5カ所で、学芸員らによる解説動画を視聴しながら現地を散策できるようにした。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、学芸員が同行する団体での文化財巡りを休止しているため、個人で訪れても楽しめるよう工夫した。
各所の説明看板にQRコードを設け、スマートフォンなどで読み取ると動画を見ることができる。QRコードは、北条早雲ゆかりの興国寺城跡▽国登録記念物の日本庭園・帯笑園▽古墳時代初期では東日本最大級とされる高尾山古墳▽北条水軍の拠点となった長浜城跡▽日露和親条約の交渉地として使われた大行寺-に掲示した。
動画は学芸員や住職が出演し、実際に現地を歩きながら史跡の特徴や歴史的な意義を説明。駿河湾に面した長浜城跡では6種類の動画があり、例えば海側に土塁が築かれた痕跡がないことを示して「防御機能より海上の武田軍を見つける役目があった」などと解説している。
個人で巡るおすすめの文化財コースを紹介したパンフレットも、市ホームページからダウンロードできるようにする。市文化財センターの担当者は「ポストコロナ対策として企画した。現地の説明看板に書き切れなかった情報も紹介し、文化財をより深く理解できる内容になっている」と話した。