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広がる自販機活用 ふるさと納税にも

 新型コロナウイルス禍の非対面需要で改めて脚光を浴びた自動販売機(自販機)。街角で総菜、冷凍食品などの自販機を見掛けることも増えました。「ふるさと納税」ができる自販機も相次ぎ登場。静岡県内の新たな動きを1ページにまとめてみました。
 〈静岡新聞社編集局TEAM NEXT・松本直之〉

ふるさと納税自販機 静岡県内初は御殿場市

ふるさと納税の支払いができる自動販売機。返礼品のプレー補助券は、すぐに利用できる=1日午前、御殿場市の富士平原ゴルフクラブ
ふるさと納税の支払いができる自動販売機。返礼品のプレー補助券は、すぐに利用できる=1日午前、御殿場市の富士平原ゴルフクラブ
 ■ふるさと納税、自販機で 御殿場市がゴルフ場に設置
 御殿場市は1日、ふるさと納税ができる自動販売機を市内のゴルフ場に設けた。市によると、静岡県内での設置は初めて。返礼品には同ゴルフ場のプレー補助券を用意し、利用者は支払いから返礼品の使用まで一度にできる。市はふるさと納税をしたことのない人からの寄付を期待する。
 自販機は富士平原ゴルフクラブ(同市水土野)のフロント近くに置いた。飲料の自動販売機よりやや小さい。利用者は液晶ディスプレーで寄付額を選び、住所や名前を入力するか運転免許証を読み取らせ、クレジットカードで支払う。レシートをフロントに持参すると寄付額の3割相当のプレー補助券を受け取れ、その場で使うこともできる。
 税控除に必要な受領証明書は後日郵送される。制度の仕組み上、御殿場市民は返礼品を受け取れない。
 市は他県で同様の自販機を利用したゴルフ客から勧められて導入を決めた。市魅力発信課は「素晴らしい自然環境の中でプレーを楽しみ、市のファンになった人に寄付してほしい」としている。2020年度は11億9千万円余だった寄付額の上積みを望む。
 市によると、ゴルフ場は計4カ所に設置が決まり、大型商業施設への導入も目指す。返礼品にはレストランや地場産品購入に使える商品券を用意する考えもあるという。
 〈2021.12.2 あなたの静岡新聞〉

藤枝駅南口の自販機専用店舗にも登場 官民連携で運営

ふるさと納税ができる自販機=藤枝市の「オーレセルフ&カフェ」
ふるさと納税ができる自販機=藤枝市の「オーレセルフ&カフェ」
 ■自販機でふるさと納税 静鉄リテイリング、藤枝市内に設置 
 静鉄リテイリングは15日、藤枝市内で、同市へのふるさと納税ができる自動販売機の運用を始めた。同市と官民連携で運営する。実際に市内を訪れた人を対象にしているため、納税への共感を得られやすいほか、再来訪につなげる狙いがある。
 設置場所は、JR藤枝駅南口のオーレ藤枝内にある自販機専用店舗「オーレセルフ&カフェ」。20台超の多彩な自販機を集めた非対面式の店舗で、同社が運営している。
 ふるさと納税自販機は、市内のホテルの宿泊券やゴルフクラブの利用券、市内醸造の日本酒、玉露など14品。寄付額は1万2千円から20万円の範囲で、クレジットカードを使用できる。
 今後、品目を順次拡大していく。市の担当者は「藤枝を訪れ、地域に愛着を感じながら利用してもらえたら。交流人口の拡大や地場産品の販路拡大にも活用していきたい」と語った。

ちょっと脱線 自販機専用店舗「オーレセルフ&カフェ」って?

自動販売機22台が並ぶ店内=藤枝市の「オーレ藤枝」
自動販売機22台が並ぶ店内=藤枝市の「オーレ藤枝」
 ■オーレ藤枝の自販機22台「非対面店舗」 人気ベスト5は?
 藤枝市のJR藤枝駅南口の複合施設「オーレ藤枝」3階にこの夏オープンした、自動販売機(自販機)22台が並ぶ“非対面”店舗「オーレセルフ&カフェ」が注目を集めている。中には、1カ月で売り上げ100万円を超える自販機もあるのだとか。現場を訪ね、人気ベスト5を聞いた。
 先日の「クラウンメロンが当たる!? 袋井で噂の自販機、訪ねてみました」 「温泉の自販機!? 伊豆市原保地区、噂の現場を訪ねてみました」に続く自販機シリーズ第3弾。
 店内は広さ約100平方メートル。イートインコーナー(午前10時~午後8時)も併設している。静岡県中部、東部を中心に流通業や小売業を展開する「静鉄リテイリング」が、コロナ禍の“非対面”ニーズで改めて脚光を浴びた自販機を使い、「楽しくて元気の出る場所をつくりたい」と7月初旬にオープンした。8月末までの売り上げ速報値による人気ベスト5は次の通り。
 ■人気ベスト5
 
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 ☆1位 牛タン「喜助」  塩、たれ、味噌味の牛タンの冷凍商品。自販機には「本場仙台の有名店 静岡で買えるのはここだけ」の表示が。どの商品も1000円以上で、他の自販機と比べてお値段は高いものの、売り上げはダントツだという。

 
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 ☆2位 ラーメン「ヌードルツアーズ」  全国の有名店の冷凍商品。「二郎系」「鯛塩」「豚骨醤油」など、味が紹介されている。県内にはない店舗の味を求めて“全種類制覇”した人もいるそうだ。

 
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 ☆3位 ギョーザ「石松ぎょうざ」  静岡県勢の浜松ギョーザの名店がランクイン。料金箱にお金を入れて、冷凍庫から商品を出す仕組み。冷凍のギョーザや肉ギョーザなどが並ぶ。浜松市と購入額日本一を争う宇都宮のギョーザも期間限定で販売中。

 
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 ☆4位 昆虫食  コオロギ、タガメ、サソリなどの乾燥商品並ぶ。取材時はカブトムシが売り切れだった。成育の環境負荷が他の家畜に比べて低く、高タンパクで次世代食材として注目されている昆虫食はインパクトも抜群。取材時に来店した客は、ほとんど足を止め、商品に見入っていた。

 
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 ☆5位 「藤枝逸品グルメ」  コロナ禍の藤枝市内の飲食店を応援するため設置された。地元店の弁当、朝ラーメンの乾麺、和菓子などが並ぶ。食品ロス削減のため、総菜のみの販売を始めるなど、改善を続けている。帰宅途中に弁当を買い求める人もいるという。


 〈記者メモ〉5種類ミックスされた昆虫食を買いました。お皿に出してみると、数えられただけで虫100匹前後が入っていました。なかなかの迫力でした。エビやカニなど甲殻類にアレルギーのある方は反応する恐れがあり、注意が必要とのこと。
 
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