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訪日富裕層、三島に取り込め 11月、高額設定の実証ツアー

 インバウンド(訪日客)の回復本格化に合わせ、三島市観光協会が訪日富裕層の取り込みに乗り出した。三嶋大社での雅楽鑑賞や日本家屋「隆泉苑」での夕食など日本の文化や歴史を感じられる実証ツアーを11月に企画。訪日客目線で同大社の魅力や案内ポイントについても磨き上げている。

地元の通訳ガイドとともに下見するチャート出意人さん(右から2人目)=三島市の三嶋大社
地元の通訳ガイドとともに下見するチャート出意人さん(右から2人目)=三島市の三嶋大社

 実証ツアーはインバウンドの誘客・消費拡大を目的とした観光庁の観光再始動事業に採択。一般的なツアーに比べ倍以上の単価となる高付加価値化の取り組みが求められ、価格を数十万円に設定した。「重要文化財三嶋大社で日本の美を堪能―五感で楽しむ究極の神社体験」と題し、11月8~10日に1泊2日ずつ2回実施。長年の歴史を誇り、市内最大の名所でもある同大社で得られる体験価値を最大化しようと企画し、正式参拝や雅楽師東儀秀樹さんの舞鑑賞を盛り込んだ。夕食には三島の野菜や伊豆半島の魚などを使った特別コースを用意する。
 訪日客のニーズ調査のため、神社庁非常勤嘱託通訳のチャート出意人(デイビット)さんを招いた下見もこのほど実施。「神への信仰が厚い欧米人には、玉串やちょうずの作法が興味深い」「大きなしめ縄や菊の御紋がある理由などについても詳しく聞きたいはず」などと助言を受けた。
 訪日富裕層の受け入れに向けた課題の抽出は実証ツアーの狙いの一つ。同観光協会の担当者は「1度の旅行で100万円くらい使う富裕層をターゲットにした商品設計に役立てたい」と話す。
 (三島支局・岡田拓也)

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