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おひめさまごっこ「ドレス体験」 独自商品やレンタル 浜松の「はなか」新たな一歩

 商業観光施設などで子どもがドレスを着用して回遊する体験型イベントを手がける「はなか」(浜松市東区)が新型コロナウイルス禍の苦い経験をばねに、事業を成長させている。会社設立直後の2020年度はイベントを開催できず、存続が危ぶまれた。マスクなどオリジナル商品販売やレンタルドレスといった新事業の発案で危機を脱した宮武弓佳社長(47)は「新しい施設や人のつながりができたことが財産。全国でイベントを展開したい」と意気込む。

ドレスレンタルの一環で、オンライン試着サービスも始めた「はなか」の宮武弓佳社長(右)=11月下旬、浜松市東区
ドレスレンタルの一環で、オンライン試着サービスも始めた「はなか」の宮武弓佳社長(右)=11月下旬、浜松市東区

 「おひめさまごっこプロジェクト」と題した体験型イベントは、商業施設などを対象にしたBtoB(企業間取引)のビジネスモデル。2~13歳の子どもが色柄豊富な100~200着から好みのドレスを選び、2時間程度、館内で買い物や散歩を楽しむ。
 子どもの「プリンセスになりたい」願望をかなえる一方、イベントを取り入れた施設側にはファミリー層の集客や滞在時間増加に伴う売り上げ増などに貢献する。宮武社長が14年に個人で始めて法人化。20年度には創業者部門の県産業振興財団理事長表彰を受けた。
 ただ、「全く思いも寄らなかった」(宮武社長)コロナ禍で20、21年度のイベントはわずか1~2件。会社の存続と売り上げ確保策として知恵を絞り、レースやリボン付きマスク、アクセサリーといった雑貨製造販売に乗りだした。県内外の商業施設などへの必死の電話営業で、取引先開拓にこぎつけた。
 イベントが回復傾向の本年度は10月末までに、百貨店や住宅展示場、劇場などで13件実施した。静岡伊勢丹(静岡市葵区)で8月に行った際は「来店客数が増え、反響が大きかった」(ベビー・子供服担当者)として、2回目の開催が12月25日に決まった。
 保有する約1500着のドレスを生かしたレンタル事業も、オンライン試着の導入で顧客を増やしつつある。宮武社長は「選択する経験や自己肯定感の向上など心の成長にも期待している」と話す。

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