吉原祇園祭3年ぶり復活 山車行き交い、富士に熱気
富士市吉原の東海道吉原宿に初夏の到来を告げる「吉原祇園祭」が11日、吉原商店街周辺で始まった。感染症対策で規模を縮小したが、「東海一の祇園」と称される伝統行事が3年ぶりに復活し、熱気に包まれた。12日まで。
初日は同地区内6神社の氏子らが、19台の山車を吉原本町通り約1キロと周辺を引き回した。全国でも珍しい吉原独特の「吉原ひな壇型」や江戸型など個性豊かな山車が雨の中を行き交い、すれ違うたびに太鼓やおはやしの調子が上がって勇壮な音が会場に響いた。
本町1丁目の山車を先導した窪田寛之さん(39)は「3年ぶりでも仲間が集まってくれて久しぶりに会えた人もいる。できて良かった」と感慨深げに話した。
来場者は歩道から山車を写真に収め、祭りの雰囲気を楽しんだ。夜はちょうちんに明かりがともり、商店街は華やかな雰囲気に包まれた。
笹(ささ)をまとったみこしを激しく揺らす「笹みこし」は3密回避のため禁止し、例年は本町通りに並ぶ露店は少し離れた南町公園に集約した。川島俊治実行委員長は「来場者の笑顔が見られて何より。来年こそは以前のように盛大に開催したい」と話した。
同祇園祭は疫病追放や悪霊退散を願って江戸時代に始まったとされる。