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副業人材契約、地域活性化へ 専門スキルで課題解決 三菱地所勤務、三島在住/神田主税氏【本音インタビュー】

 三菱地所に勤めながら、一昨年に加和太建設(三島市)と副業人材のパートナー契約を結んだ。テクノロジーを活用したコミュニティーづくりなど本業の経験、知識を生かし、地域課題の解決や人的交流の促進に取り組む。新型コロナウイルスで社会がめまぐるしく変化する中、地方創生と新たな働き方について思いを聞いた。

神田主税氏
神田主税氏

 ―副業のきっかけは。
 「三島に住み始めたのは18年前で、いわゆる妻の居住地に移る“嫁ターン”。2019年にIT関連企業から三菱地所に転職し、コロナの影響で出社回数が減る中、三島を歩いてみたら地域の可能性を感じた。静岡空港や御殿場アウトレットも三菱地所と関係が深く、裾野ではウーブン・シティー構想も発表された。副業に興味があった訳ではないが、三島のために何かやりたいと思っていた時に副業の声が掛かった」
 ―取り組みの内容は。
 「ITやデジタルのスキルを生かした地域活性化。官民による市スマートシティー推進協議会に参加しているほか、加和太建設が運営する『LtGスタートアップスタジオ』など起業家や住民が集う交流拠点を通じて人が人を呼ぶ仕組みを作っている。三菱地所でも東京の大手町で交流拠点の運営に携わっている。やはり人のつながりがなくては何も始まらない」
 ―働き方は。
 「以前は始発に出て終電で帰る生活だったが、今は週に2~3回、必要に応じて東京へ行く程度。基本は三島でリモート勤務をしている。三島ではLtGのアドバイザーや観光アンバサダーを務め、沼津信用金庫ともアドバイザー契約を結んだ。副業で多少の緊張感と多忙感はあるが、ストレスはない。コロナが落ち着き始めたので、外出したい家族へのサービスとどうバランスを取るか」
 ―副業という働き方をどう思うか。
 「一つの会社に人生を委ねることにリスクを感じる人もいる。周囲には、副業やテレワークができない会社を敬遠する大学生は多い。副業をやるのであれば、目指すキャリアイメージを持つこと。仕事とやりたいことのギャップが埋まれば、本業と副業の相乗効果が生まれる可能性はある。まずは、コミュニティースペースなどで人と知り合うのも大切だ。キャリア観が変わるかもしれない」

 かんだ・ちから 浜松市浜北区出身。NTTデータ勤務を経て、三菱地所が事務局の交流拠点「3×3ラボフューチャー」(東京)館長。44歳。

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