座長コメント撤廃を 国交省会議に静岡県知事【大井川とリニア】

 リニア中央新幹線工事に伴う大井川の流量減少問題を巡り、静岡県の川勝平太知事は9日の定例記者会見で、国土交通省専門家会議の委員が会議後に別室で取りまとめている文書「座長コメント」について「要らない。取りまとめ方が雑過ぎる」と述べ、改めて座長コメントの撤廃を求めた。県は近く、国交省に撤廃を要請する文書を送付する方針。

 7日に開かれた専門家会議の後、取りまとめられた座長コメントは「JR東海より示された事項を会議として確認した」との表現で、県外に流出するトンネル湧水を戻さなくても「中下流域での河川流量は維持される」とした。県は、これを引用する形で一部報道されたことで、流量が維持されるとの誤解を招いたとしている。
 川勝知事は「トンネル湧水を全量戻すのは約束だ。コメントと言うにはあまりにもずさんだ」と反発した。国交省が次回の会議で予定している、これまでの議論の中間取りまとめについても、県が課題として整理した47項目全ての議論が終わっていないため「47項目全部を議論しないといけないので早すぎる」と指摘。自然環境保全などの課題も国交省の会議で議論するよう求めた。
 県が国交省と約束した「会議の全面公開」が座長コメント取りまとめの協議を含め、実現していないことも問題視し「約束を守らないと(会議を主催する国交省)鉄道局自体が信用をなくす」と強調した。
 会見に同席した難波喬司副知事は、JRが中下流域の流量維持の根拠とした上流の流量予測に関し「どんな複雑な計算式を使っても、現況の地質が分かっていなければ計算しても(上流の流量は精度高く)分からない。入れるデータが『ごみ』なら、出てくる答えは『ごみ』だ」と述べ、不十分なデータに基づく予測で結論を出そうとしていると批判した。

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