リニア工事「流域 厳しい意見」 JR東海社長が認識示す

 JR東海の金子慎社長は23日、定例記者会見で、リニア中央新幹線南アルプストンネル工事に伴う流量減少が問題となっている大井川の流域10市町との関係醸成について「厳しいご意見もある。(市町と)直接お話をする仕組みになっていないので(信頼が築けているかどうか)申し上げようがない」と述べた。
 金子社長は、水問題を議論している国土交通省専門家会議について「これまで7回開催し、メニューとしてはだいぶ進んだ」と強調した。ただ、今月20日に国交省鉄道局長と意見交換した流域10市町の首長らが同会議の議論について「十分納得できる説明がされていない」とJRへの指導徹底などを求める要望書を提出したことを念頭に「トップクラスの先生方にご議論いただき、いろいろなことが専門的。どう(会議の内容を)お伝えするかというところに、工夫あるいは努力の余地が残っているのではないか」と課題も口にした。
 一方で金子社長は、同会議の専門家はどうすれば流域住民に安心してもらえるかを頭に置いて議論していると強調した。「水の問題が一区切り付いたら、関心の高い事柄について、何か流域にお伝えする工夫をしたい」と述べた。

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