リニア・県境越えボーリング 「水抜き目的でない」 JR東海社長が見解 

 リニア中央新幹線の南アルプストンネル工事を巡り、JR東海の金子慎社長は15日の都内での記者会見で、山梨から静岡との県境を越えて行う方針を示す高速長尺先進ボーリングに関し「水が出るかもしれないが、それを目的に行うものではない」と述べ、地質や湧水の状況を把握することが目的で、工事前の水抜きのためではないとの認識を強調した。
 「発生する湧水はある」と県外流出の可能性には言及した。県有識者会議の地質構造・水資源専門部会で「引き続き水を戻す方策やボーリングの必要性を説明していきたい」と述べた。
 県専門部会は高速長尺先進ボーリングの実施について「水を戻す方法とセットだ」との意見が上がっている。一方、金子社長は流水対策として田代ダムの取水抑制を行うかどうかについては言及しなかった。
 同社の論文には高速長尺先進ボーリングの水抜き効果を強調する記述がある。「ボーリングが大井川中下流に与える影響は小さい」としている従来からの金子社長の主張との整合性に関し、目的が違うため「矛盾していない」と述べた。

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