ソロモン諸島に不発弾処理支援 防衛省、対中関係にらみ

 防衛省は23日、南太平洋の島国ソロモン諸島に自衛官らを派遣し、太平洋戦争中に旧日本軍が設置した不発弾を処理するソロモン国家警察への支援を始めた。首都ホニアラのあるガダルカナル島は、日米の激戦地として知られる。近年、中国との関係を深めるソロモン諸島との連携強化を図る狙いがある。

ソロモン諸島派遣を前に防衛省幹部の激励を受ける自衛官ら=19日午後、防衛省
ソロモン諸島派遣を前に防衛省幹部の激励を受ける自衛官ら=19日午後、防衛省

 防衛省によると、ソロモン諸島には100万発以上の不発弾が残るとされる。同国のソガバレ首相が昨年3月、林芳正外相(当時)と面会して支援を要請した。陸上自衛隊武器学校の教官ら5人が今月31日までの日程でホニアラ入りし、不発弾の特性を伝えるとともに危険性を住民に伝えるポスターも配布する。
 政府が2022年12月に閣議決定した国家防衛戦略に基づく、太平洋島しょ国の軍隊以外の組織を支援する取り組みの一環。木原稔防衛相は23日の記者会見で「ソロモン諸島に実施する初の能力構築支援だ。不発弾事故を減らし安心、安全に寄与する」と強調した。
 ソロモン諸島は22年に中国と安全保障協定を締結。日米豪は中国による南太平洋の軍事拠点化を警戒する。防衛省幹部は「インド太平洋地域の平和と安定にとって重要な国だ。今後の取り組みにつなげたい」と関係構築に期待を寄せた。

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