北朝鮮の人権問題に関心を　脱北者招き大阪で１６日講演会

　劣悪な環境に置かれた北朝鮮の庶民の人権問題に関心を持ってもらおうと、大阪市の在日韓国人らが１６日、韓国から脱北者のイ・ソヨンさんを招いて同市で講演会を開く。イさんが出演し、脱北の旅を描いたドキュメンタリー映画「ビヨンド・ユートピア脱北」も来年１月から公開予定で、講演会を主催する洪敬義さん（６４）は「日本人も問題意識を持ってほしい」と願う。

　講演会では、イさんらが北朝鮮の庶民らの実情について説明。中国で拘束された脱北者が北朝鮮に強制送還される問題なども取り上げる予定だ。１２月１６日午後１時半から大阪市北区で行われ、入場料は千円。
　映画は北朝鮮の５人家族が脱北後に中国、ベトナム、ラオス、タイを経由して韓国を目指すドキュメンタリー。来年１月から大阪・第七芸術劇場など全国で公開される。
　洪さんは在日韓国人３世で、人権擁護団体「コリアＮＧＯセンター」の理事を務める。同胞らが朝鮮半島の伝統文化などを学ぶ「民族学級」を支援するなど在日社会の権利拡大や生活向上のために活動してきた。
　洪さんは、北朝鮮の人権問題への関心が日本では近年低下していると指摘。講演会や映画を通じて「隣人としてどんな支援ができるのか考えてほしい」と話す。

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