ネットワーク機器に脆弱性　ＪＡＸＡ攻撃に利用か

　宇宙航空研究開発機構（ＪＡＸＡ）が今年夏ごろにサイバー攻撃を受けた問題で、ＪＡＸＡの組織内ネットワークに接続するための機器に脆弱性が見つかっていたことが２９日、ＪＡＸＡへの取材で分かった。攻撃者側にその隙を突かれた可能性があるという。ＪＡＸＡや警察当局は今回の被害の詳細や攻撃元を調べている。
　ＪＡＸＡによると、機器の脆弱性については、今年６月ごろにメーカー側から報告があり、必要な措置を取ったという。攻撃では、組織のネットワークを一元管理している「アクティブディレクトリ」と呼ばれる機能を持つサーバーが不正アクセスを受けており、攻撃者側が侵入した時期や経路の確認も進めている。
　またＪＡＸＡ側は今回、警察からの連絡を受けるまで不正アクセスされたことに気付いておらず、被害の拡大を防ぐためにもセキュリティーシステムの点検や強化に取り組むとしている。
　ＪＡＸＡの山川宏理事長は２９日の参院文教科学委員会で「サイバー攻撃を受けたのは事実だが、ロケットや人工衛星に関する機微情報はしっかり管理しており、漏えいしたと考えていない」と強調。一方で「本件については重く受け止めており、攻撃手法を含め、詳細な調査を継続している」と述べた。

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