自治体職員の学び直し促進 総務省、人材育成指針を初改定へ

 総務省は1997年に策定した自治体職員の育成指針が時代に合わなくなったとして、今秋にも初めて改定する。デジタル化など新たな行政課題の増加を受け、リスキリング(学び直し)による職員の能力向上を促す。優秀な人材の確保に必要な方策なども盛り込み、自治体組織の活性化につなげたい考えだ。

総務省
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 総務省の指針は、各自治体が職員を育成する上での参考となる。26年前に策定した現行指針は、研修や人事管理に関する記述が中心で、行政課題が複雑化した現在では物足りない内容となっている。
 新たな指針は有識者の意見を聞きながら検討している。これまでの議論では、自治体が取り組む事項として「大規模災害やデジタル化、感染症など、新しく困難な課題に対応するためのリスキリング」「兼業・副業や官民の人事交流」「管理職の育成」などが挙がっており、具体的な内容を詰めている。
 育成だけでなく人材確保にも言及するのは、人口減少や民間企業との採用競争で公務員志望者が減っているためだ。指針には、採用難に悩む複数の小規模自治体による合同採用試験や、即戦力となる人材の中途採用を後押しする方策を盛り込みたい考え。
 育成、確保した職員が能力を発揮するには、職場環境の整備が欠かせない。このため職員一人一人に合わせたキャリアの提示や、出勤を前提とした働き方の見直しなどを促す方向で議論が進んでいる。

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