町おこしの「起爆剤に」 真央リンク、来秋立川市に【スクランブル】

 フィギュアスケートの元世界女王、浅田真央さん(32)がプロデュースするスケート場「MAO RINK」が来年秋、東京都立川市にオープンする。浅田さんの「長年の夢」に共感して全面的にバックアップするのが、同市で不動産事業を展開する立飛ホールディングス(HD)。スポーツを通じた町おこしに取り組む同社は「起爆剤になれば」と期待を寄せる。

「MAO RINK」の建設予定地に立つ浅田真央さん(左)と立飛ホールディングスの村山正道社長=3月、東京都立川市
「MAO RINK」の建設予定地に立つ浅田真央さん(左)と立飛ホールディングスの村山正道社長=3月、東京都立川市
インタビューに応じる立飛ホールディングスの村山正道社長
インタビューに応じる立飛ホールディングスの村山正道社長
開発が進む東京都立川市の立飛駅周辺=2022年5月(立飛ホールディングス提供)
開発が進む東京都立川市の立飛駅周辺=2022年5月(立飛ホールディングス提供)
「MAO RINK」の建設予定地でポーズをとる浅田真央さん=3月、東京都立川市
「MAO RINK」の建設予定地でポーズをとる浅田真央さん=3月、東京都立川市
「MAO RINK」の概要(完成イメージ画像は(C)MAO RINK PROJECT準備委員会)
「MAO RINK」の概要(完成イメージ画像は(C)MAO RINK PROJECT準備委員会)
東京都立川市「MAO RINK」建設予定地
東京都立川市「MAO RINK」建設予定地
「MAO RINK」の建設予定地に立つ浅田真央さん(左)と立飛ホールディングスの村山正道社長=3月、東京都立川市
インタビューに応じる立飛ホールディングスの村山正道社長
開発が進む東京都立川市の立飛駅周辺=2022年5月(立飛ホールディングス提供)
「MAO RINK」の建設予定地でポーズをとる浅田真央さん=3月、東京都立川市
「MAO RINK」の概要(完成イメージ画像は(C)MAO RINK PROJECT準備委員会)
東京都立川市「MAO RINK」建設予定地

 始まりは、2年前の3月だった。びっしりとアイデアを書き込んだB4判の紙2枚を手に、浅田さんは立飛HDの村山正道社長(72)に直談判。約20分間、紙に目を落とすことなく、リンク建設への情熱をぶつけた。「私のゴーサインを待たずに、社員が勝手に絵を描き出した」と苦笑いの村山社長。選手時代から温めてきた構想が、一気に動き始めた。
 多摩都市モノレール立飛駅から徒歩3分の約9千平方メートルの敷地にメインとサブ、2面のリンクを整備。トレーニング施設や栄養面にこだわったレストラン、浅田さんのメダルや衣装の展示スペースを併設する。
 3月に計画を発表した浅田さんは、建設予定地に立ち「ここでスケートを好きになってもらいたいし、いつかは世界でメダルを取れる選手を育てたい」と目を輝かせた。千人収容の観客席を設け、プロスケーターとして「これからもエンターテインメントを届けたい」との思いも実現させる。
 来年創業100年を迎える立飛HDは戦前に軍用機を製造した「立川飛行機」が前身で、立川市中心部に市全体の25分の1に当たる約98万平方メートルの土地を保有する。ここ10年はアリーナや人工ビーチを次々と整備し、プロスポーツチームの誘致やテニスの国際大会、大相撲の巡業開催を推進。この動きに浅田さんは注目し、協力を仰いだ。
 村山社長も「スポーツと音楽は生に限る」がモットーで「真央さんの計画はにぎわいにつながる」と思惑が合致。土地を提供し、数十億円の総工費の大半を負担する判断に至った。立川市によると、立川駅周辺の再開発やスポーツ施設の充実を追い風に人口は年々増加し、担当者は「世界で活躍した浅田さんのリンク建設は大きな発信力がある。市全体の盛り上がりにつながることを期待している」と話す。
 1990年代初めに東京都内に10カ所近くあった通年型のアイスリンクは閉鎖が続き、現在は3カ所のみ。2017年に引退した浅田さんは「第二の人生の大きな挑戦。60歳になってもこのリンクで滑り、たくさんの笑顔があふれる場所にしたい」と夢を膨らませている。

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