「年越し」といえば、“そば”を連想するけれど…

気になることはどんどん取材。カメラマンの望月やすこです。年越しといえば「そば」ですが、そもそもなんで「そば」なんでしょうか?
というわけで今回は「年越しはナゼそばがいいの?」という素朴な疑問について、沼津市にある坂東製粉の坂東弘康さんにお話を伺いました。
全国の有名そば店や、そば打ち名人に愛される老舗工場
看板商品の「白雪さらし」は真っ白でまさしく純白!
「坂東製粉」は戦後まもなくから続くそば粉の製粉会社。静岡県内のみならず、全国の有名そば店や、そば打ち名人に愛される老舗工場です。看板商品は「白雪さらし」。「さらしなそば」用のそば粉で、そばの実の周りを挽かないように、真ん中の真っ白なところだけ取り出した、歩留まりが極めて低いそば粉。そばの実はとても柔らかく削れないので、外を挽かないように中を取り出すのはとっても特殊な技術なのだそう。「殿様が真ん中の上品なところだけ食べる」という意味で、別名「御膳そば」とも呼ばれているんですよ。
わずかな中心部分だけを食べるって超贅沢! っていうか、さらしなそばがそんな贅沢なそばってことすら知らなかったです!
自社畑のそばを使った「ソバックウィート」880円(税込)
代表の坂東弘康さんは、本当にそばの知識が豊富で、世界のそば食から、そばを取り巻く社会事情までよくご存知。あげく、沼津でそば栽培まで始め、そばのクラフトビール(正しくは発泡酒)まで作ってしまった「そばのプロフェショナル」です。そんな坂東さんが言うなら「年越しそばを食べる理由」にも納得ができますよね。
前置きが長くなっちゃったけど、「なぜ年越しはそばがいいの??」。4つの理由がありました。
年越しの麺に「そば」がいい4つの理由
1. 麺類の中でもそばは特に「切れやすい」ことから、その年の厄を断ち切ろうという願い2. 細く長くの形状にあやかって、長寿を願おうという思い
3. 「新年を迎えるために健康に良いそばで体内を清めよう」という思い(そばは、必須アミノ酸、ビタミン、食物繊維などが豊富)
4. 昔、金細工師が、金の粉を集める時に練った「そば玉」を使ったことから「金を集める縁起の良いもの」として食べられるようになった
私が気に入っちゃったのは4番目!「お金を集める」なんて縁起がいいですよねー。良いことを教えてもらいました。
「そばの実」は4〜6mm。とっても小さくてよく見るとハート型なんです
「坂東製粉」のそば粉は、ネットや工場でも販売していて個人でも購入することができます。工場で買うとネット販売よりちょっとお安いそう。価格は税込。
年末限定で発売する、打ち粉300g 297円と特上石臼挽二八ミックス 1kg 1458円(税込)
そばを打つのはちょっと大変だけど、そば店でも見かける「そばがき」なら簡単みたい。お椀の中にそば粉と熱湯を入れてひらすら混ぜて練るのみ。生醤油やあんこと食べたり、お汁粉やお雑煮に入れても美味しいそうですよ。
こんな感じで約30台の石臼がぐるぐる回ってるんです
工場を見せてもらったのですが、思っていた工場と全然違う超レトロな光景! 石臼がずらーっと並んでぐるぐる回ってるんです。電動ではあるのだけど手動っていうか、人の手を感じる昔ながらの製粉方法で、千と千尋の神隠しに出てくるような世界でした。石臼は「蟻巣石」と呼ばれる石で、蟻の巣のようにたくさんの穴が空いていることで、粉が熱を持ちにくく風味が出るのだそう。そば粉も、味噌や酒のように昔ながらの方法で作っているんですね。う〜ん、これはすごい!そば職人さん達がここのそば粉を愛する気持ちがわかりました。
というわけで今回は、「年越しはナゼそばがいいの?」の疑問を、沼津市の坂東製粉で伺いました。
倉庫もかっこいい!
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■坂東製粉
住所:沼津市西間門558ー1
電話:055-962-0810
営業時間:8:00〜17:00
定休日:土・日曜
駐車場:あり
商品はネット販売も行っている





































































