津波が発生した際、遠くからでも避難ビルがわかるように大型のバルーンを活用した実証実験が静岡市清水区で行われました。プロジェクトを進めるのは東北大学の学生たちで「アナログな手法だからこそ可能性がある」と期待しています。
<社会部 田島かのん記者>
「静岡市清水区の商業施設の屋上です。ピクトグラムが描かれたバルーンが上空に浮かんでいます」
東北大学の学生たちが取り組む「津波バルーンプロジェクト」。東日本大震災の経験を踏まえた活動で、津波避難ビルの場所を離れた場所からでも認識してもらうことが重要だと考えたのがきっかけです。
上空約30メートルに揚がった「バルーン標識」。土地勘の無い観光客や子ども、外国人などでも視覚的に分かりやすいのがポイントです。大学がある宮城県以外での実験は初めてで、新たな課題が見えてきました。上空に揚がるまでに15分ほどかかり目標の3分を大幅にオーバーしました。
<津波バルーンプロジェクト代表 成田峻之輔さん(東北大学大学院工学研究科博士課程1年)>
「(バルーン標識は)いまのデジタル社会の中では、比較的アナログなやり方だと思います。一方で災害時のネットワークや電力が不安定な時にアナログなやり方が効果を発揮する可能性は十分あると考えていますので。災害に対してより柔軟に機能する形にできるのではないか」
津波による犠牲者を出さない。2〜3年後の実用化に向け、学生たちは実証実験を重ねていきます。