果たして、慢性的な運転手不足を解決する助けとなるのでしょうか。荷物などを運ぶ大型トラックを自動運転させるというテストが始まりました。舞台は新東名高速道路です。
<東部総局 竹川知佳記者>
「こちら、一見すると普通のトラックなのですが、今回使われる自動運転車です。よく見ると、レーザーやカメラなどが車のいたるところに搭載されています」
3月3日、お披露目されたのは自動運転の大型トラックです。
車体には約20個のセンサーやカメラが付いていて、付近の車や障害物を認識しながら走ります。
国交省と事業者が共同で行う新東名高速道路での実証実験は、比較的交通量の少ない午後10時から午前5時にかけて行われ、駿河湾沼津サービスエリアから浜松サービスエリアまでの約115キロの区間を走ります。
<竹川記者>
「いま、自動運転トラックの横を走行しています。自動運転ということですが、緊急時や安全を配慮し、運転席を見ると人が乗った状態で走っています」
さらに今回の実験では、将来的な無人での走行に向けて、トラックがインターチェンジやサービスエリアから本線へスムーズに合流できるためのシステムを導入し、高速道路上に設置しました。
<国土交通省 道路交通管理課 北城崇史課長補佐>
「自動運転トラック、特に大型車は加速が乗用車に比べて遅かったりするので、事前に(システムによる)情報提供がかなり重要になってくる。そういったところをインフラから整備して支援していきたい」
この自動運転トラック導入の動きの背景にあるのは、運転手の担い手不足です。全国の求人倍率では全職種が1.22倍なのに対し、トラック運転手などの自動車運転従事者は2.82倍。約2倍と、人手不足は深刻です。

<北城 課長補佐>
「今後は新東名以外の多種多様な環境で実証実験をして、トラックのドライバーが長時間の労働というのもあるので少しでも改善できる施策にできれば」
事業者のなかには、2025年の後半にも横浜と京都の間で自動運転トラックを走らせたいとしていて、働き方改革で運転手の確保が一層難しくなるなか、実用化への期待は高まるばかりです。