病院で測ってもらって血圧が「上がる人」と「下がる人」 知っておきたい「白衣」と「仮面」2つの高血圧

現在、日本に約4,000万人の患者がいると推定されている「高血圧」。“サイレントキラー”と呼ばれ、高血圧になると、脳卒中や心臓病など、生命に関わる重い病気のリスクが高まります。

収縮期血圧=いわゆる上の血圧が140以上160未満、または、拡張期血圧=いわゆる下の血圧が90以上100未満の「Ⅰ度高血圧」と言われる段階で、望ましいレベルの血圧の人に比べ、脳卒中や心臓病に、およそ3倍かかりやすいと言われています(※血圧の単位はすべて㎜Hg。以下、左の数字が上の血圧/右の数字が下の血圧)

健康を維持するための指標として、大事な血圧。日本内科学会総合内科専門医で、岩渕内科医院(静岡県沼津市)院長の岩渕直人医師は「血圧は変動が大きいものだから、家庭で血圧を測って、その値を記録しておくことがとても参考になる」と言います。

診察室での血圧が140/90以上であっても…

「家庭で血圧を測ることが、とても参考になる」と語る岩渕院長

というのも、「白衣高血圧」といって、医師や看護師に血圧を測られたり、白衣を見たりしただけで、緊張して血圧が上がってしまうタイプの人がいるのです。日本高血圧学会が勧める方法に従って測定された家庭での血圧が、135/85未満の場合、診察室での血圧が、140/90以上であっても白衣による効果とみなし、血圧が高いとは判定しないという基準があります。

医師の前で血圧が上がる「白衣高血圧」

家で血圧を測らない方がいい人も

「逆に、病院に来ると本来の高血圧を見せずに、正常を装うことができる『仮面高血圧』というタイプの人もいるんです」と岩渕院長。診察室での血圧が140/90未満であっても、家庭で測った血圧が、135/85以上の場合は、高血圧対策を始めるべきだとされています。

医師の前で正常血圧を装える「仮面高血圧」

このように、家庭での測定は、本来の血圧を知るために有効なのですが、中には、神経質に、家で1日に何十回も測ってしまう、あるいは、1度に3回以上測定してしまうというような人がいるそうです。岩渕院長は「そういう方は、家で血圧を測らない方がいいですね。自分の血圧が気になってしかたなくなり、かえって血圧が上昇してしまう」と言います。心配な感じが残って、精神的に不安定になるケースもあるそうです。

「家で血圧を測らない方がいいタイプの人もいる」と岩渕院長

血圧は、家庭でも測れて、手軽に健康チェックできるものですが、なかなかデリケートに値は上下します。かかりつけ医と二人三脚で、数字を正しく評価できるといいですね。

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