2月23日の「富士山の日」を前に、静岡県富士宮市で富士山の噴火について歩いて学ぶ講座が開かれています。参加したのは将来を担う子どもたちです。
2月8日に行われた富士山の火山講座です。参加したのは、県内に住む高校生。小学生から高校生までの子どもたちに富士山噴火について身近に感じてもらおうと県が企画しました。
<県富士山世界遺産センター 小林淳教授>
「大沢崩れで(溶岩を)流すと…大沢崩れは潤井川の源流なんだよね」
指導するのは火山学の専門家です。実験では、薄めた石けん水を溶岩流に見立て、噴火の場所や規模によって到達する場所がどう変化するのか学びました。
<小林教授>
「ここに溶岩流が来るためにはどこからを流したら来るかなとか、自分で場所のポイントを決めて」
<参加した高校生>
「ここだから、ここらへんとかかな」
<小林教授>
「溶岩流が一歩流れるとその場所で流れる場所を探すんだよね。少しずつこっち(西)の方に行っちゃったよね」
<参加した高校生>
「火口場所によって流れる場所が違ったりとか、他の地形によっても流れる場所が異なるっていうことにすごい驚きました」
<参加した高校生>
「ハザードマップで見た時に一覧(の被害予想)しか出ないので、そういう細かいところでの(被害範囲の)変化というのも知っておいた方が被害を事前に防ぐことができるんじゃないかなと思う」
<小林教授>
「火山の地形っていうのは、過去の生い立ちをちゃんと反映しているので、次の噴火もその地形の上をなぞって噴火するわけですから、それをちゃんと地形を知っておくっていうことは、皆さんが下手に混乱しないで無用な心配をしない中で生活できる」
午前中の実験や座学を終え、午後は、自然学校のガイドと共にフィールドワークに出かけました。富士宮市の城山公園では、「縄状溶岩」と呼ばれる溶岩が流れるときに表面にできる「しわ」を観察しました。
<ホールアース自然学校 津田和英さん>
「つま先の部分になると、もうこれ以上行けないよってなると、後からどんどんと押されてきて、こんなシワ状になっていく」
約1万年前の噴火の際にできたもので、市街地で見られるのは珍しいそうです。
<参加した高校生>
「うわ深っ、しわが大きいから、それほど圧力が強かったのかな」
<参加した高校生>
「思ったよりも(しわの)間の部分がしっかりある感じがして、コケとか生えているけど、それでもちゃんと深さが分かりちゃんとしてますね」
<参加した高校生>
「昔の力を感じますね。神秘的ですね」
フィールドワークを通して富士山が火山であることを実感しました。
<参加した高校生>
「午前は溶岩の分布とかそういうのをやって、何でこんなに届くのかなと思ったんですけど、フィールドワークを通して、溶岩にも粘り気が強いものとか、粘り気が弱いものというので、遠くに届くのか短くなるのかっていうのは、つながった部分だった」
<参加した高校生>
「正しい知識を身につけることによって、もし旅行とかでこっちに来ていた時にも速やかに避難ができたり、交通渋滞にも巻き込まれずに命が助かることもあると思う」
県の担当者は、富士山の噴火についてまずは興味を持ってもらい身近なところから情報を集めてほしいと話します。
<県危機情報課 笠原惇輝主査>
「県としましても、自分達から事前に避難するってことも有効な手段として考えておりますので、自分達で知識を身につけていただいて、事前の行動を早めの行動につなげていただくってのは一番重要なことかなと考えております」
県の担当者は、「まずは一度、地元自治体のハザードマップを見てみてほしい」、「『富士山の日』を前に、富士山がよく見え外を歩くのには良い天気続くこの時期に、地元にある痕跡を探してみてはどうか」と話しています。
このイベントは対象年齢を変えて15日と22日にも開催します。
(対象は小学校5年生~中学生)
県のHPから申し込みが可能で、県はこうしたイベントを今後も継続して行うことを検討しています。