静岡市の日本平動物園ではいま、ある「総選挙」が行われています。この選挙の投票率を伸ばそうとアイデアを出したのが大学生。そのワケとは?
2月上旬の週末、静岡市駿河区の日本平動物園です。大学生が投票を呼び掛けているのが「総選挙」への投票です。この選挙に立候補しているのは、ホッキョクグマにレッサーパンダやペンギン、みんな動物園の人気者たち。全部で12種類の動物が人気ナンバー1の座をかけて、いま熱い選挙戦を繰り広げています。
今回の「動物総選挙」、ある特徴があるんです。
<静岡市選挙管理委員会事務局 平田彰一郎次長補佐>
「こちらは本物で実際に選挙で使う記載台で、実際にこういった投票用紙を入り口の方で渡している。この投票用紙に実際に書いていただくと」
やっているのは、なんと市の選挙管理委員会。
投票所に置かれているのは、実際の選挙で使うものばかりです。投票用紙には、本物の印も押されています。
ここまで「本物らしさ」にこだわった理由とは?
<平田次長補佐>
「いきなり、その選挙の際に投票行こうよって言ってもなかなか機運が高まるものではなくて、むしろ小さい頃から選挙に身近に感じてもらって自ら考えてもらう(主権者教育の)一番最初の取り掛かりがここ」
実は、静岡市のトップを決める市長選挙も、市議選も前回選の投票率は過去最低でした。(前回選の投票率 静岡市長選挙 45.6% 静岡市議会議員選挙 40.1%)
特に20代の投票率はいずれも20%前半と、若者の選挙離れが深刻です。
そこで、若者に刺さるには同世代の発想が大事と、今回の選挙は大学生の力を借りることにしました。
選挙ポスター作りや投票を呼びかける動画も学生たちが作りました。
<大学生>
「笑顔を大事にって言われたんで笑うことを大事にやった」
学生たちの視点、なかなかユニークなんです。
<大学生>
「いつもピューマはかっこいいとか、そっち系のイメージだったんですけど、あえて寝顔をとって可愛いということにポイントを当ててこちらの方にした」
その効果や、いかに。
<投票した人(17)>
「投票形式っていう企画が面白いな」
「(投票箱が)やけに本格的だなと思った」
<親子連れ>
「子どもたちが大人になったときもより選挙が身近になる、良い試みかなと思う」
評判は上々です。
<大学生>
「たくさんの方に投票していただいて良かった」
「今回は候補者が動物だったんですけど、これがまたその議員の方々とかになった時にも興味を向けて、別の視点で見てみると、またその魅力が出てきたりすると思うので、そういった視点を持って見ていただきたいなと思う」
投票は2月24日まで、結果は2月中に動物園のホームページで発表される予定です。来場者カードの代わりに、動物のポストカードが配布されます。