富士山の登山規制の条例を巡り、静岡県が骨子案を示しました。登山客1人あたり4000円を徴収する方針について、県議からは「1万円ぐらい取るべきではないか」などの指摘があがりました。
<県スポーツ・文化観光部 都築直哉部長>
「入山者に対し、ルール・マナーの事前学習の終了や、午後2時以降の入山は山小屋の宿泊予約、4000円の入山料の納付などの条件とする内容で、条例等の骨子案を取りまとめました」

12月13日に行われた県議会文化観光委員会で県が示したのは、2025年の夏山シーズンから導入を目指す富士山の登山規制条例の内容です。県が示した骨子案は、夜間入山の場合の山小屋の宿泊予約義務化、入山料4000円の納付、富士山の保全や安全登山に関するルール・マナーの事前学習の修了です。
夜間の規制時間も新たに盛り込まれましたが、1日の登山者数の上限は「設けない」としました。県議からは、「4000円」という入山料の設定について質問が相次ぎました。
<自民改革会議 河原崎聖県議>
「山梨との競争という面も多分あると思うんですよ。極力来てもらうためにわざと低くする、1000円ぐらい下げてやるということも考えられると思うんですよ。その検討は何かされましたか」
<県富士山世界遺産課 大石正幸課長>
「山梨県と一体で富士山を守っていくという世界遺産の要請もあり取り組んできたところでありますので、登山については同じような条件、ルールの中でやっていきたいというのが私たちのスタンスで取り組んでいるところです」
山梨県は、2024年から通行料2000円の徴収を義務化し、山小屋の宿泊予約がない場合は、午後4時以降の入山を禁止するなどの規制を設けました。
静岡県も2025年から入山料の徴収を義務化し、金額については足並みをそろえたい考えです。
<ふじのくに県民クラブ 鈴木唯記子県議>
「今後、整備にはお金がかかりますよね。3案あるなら5000円もしっかり検討するべきじゃないか」
<県富士山世界遺産課 大石正幸課長>
「高額になればなるほどやはり登山者の減少が進む可能性もありまして、観光面に及ぼす影響ということも考慮する必要があるのではと考えています」
<自民改革会議 土屋源由県議>
「4000円払ってディズニーランドに入ったようなものなんですよ。入場料。中に入ってけがをしたり病気になったりしたら、金を払ったところが全部面倒を見なきゃならないわけ。私は1万円でも何でも取るべきだと思っているんです」
<県富士山世界遺産課 大石正幸課長>
「入山料の決定については地元の事情というものもあるものですから、まずはそれぞれの実情を鑑みて考えをまとめていくということで今進めているところです」
山梨県は、規制内容について年内に方針を固めるとしています。静岡県は、12月13日から12月24日までパブリックコメントを実施したうえで、2025年の2月定例会に条例案を提出する方針です。