静岡市のラーメン店で、元K-1選手のプロレスラーが1日店長を務めました。リングから厨房へ、そこには地域を盛り上げたいという強い思いがありました。
「お待たせしました。初めて運びました、いま」
静岡市清水区の人気ラーメン店「麺屋ARIGA」でこの日、1日店長を務めたのは、元K―1選手でプロレスラーの愛鷹亮さんです。
<麺屋ARIGA 有賀一登代表>
「愛鷹さん、沼津出身ということで、同じ静岡として、何か一緒にできたらなと思って、その時に自分ラーメンが一番得意なので、ラーメンで2人でコラボして静岡を盛り上げたいなって」
<愛鷹亮さん>
「清水は高校時代から、ずっと自転車で三保に通ってるし、青春ですよね」
愛鷹さんは東海大翔洋高校(現東海大静岡翔洋高校)を卒業。青春を過ごした街が2022年、台風15号の被害を受けました。
<麺屋ARIGA 有賀一登代表>
「水位が上がってきて、裏の勝手口から逃げようとした。ノブを開けようとしたけど水圧で開かなった。すぐ2階に逃げた」
店は床上浸水し、1か月ほど休業を余儀なくされました。
1日店長当日は湯切りと接客係も担当する愛鷹さん。本番に向けて修行に励みます。
<麺屋ARIGA 有賀一登代表>
「初めての人はこうはいかない」
<愛鷹亮さん>
「パンチと一緒ですね、当たる瞬間に力を入れる、切る瞬間だけってことですよね。ここにK-1が生きてくる」
提供するメニューは、愛鷹さんの「愛」と「鷹」にちなんで「ラブホークラーメン」。「鷹」の爪をちりばめた辛みのあるスープの上に、ハート形にした鶏むね肉のチャーシューを乗せました。
<愛鷹亮さん>
「辛さだけじゃないから、うま味がすごい。うまいっすね」
1日店長当日。
<麺屋ARIGA 有賀一登代表>
「愛鷹さん、きょう一日店長よろしくお願いします」
<愛鷹亮さん>
「麺を上げ過ぎない、ばしっと、決める所っすよ(笑)」
この日まで、湯切りのイメージトレーニングをしてきたといいます。この日は、「ラブホークラーメン」目当てに多くの人が来店。その味はお客さんにも好評でした。
<麺屋ARIGA 有賀一登代表>
「辛い時期もあったんですけど、コツコツ地道に頑張って、こうやって愛鷹さんの力もあるんですけど、本当に大勢の人が来てくれるってのはありがたいですね」
<愛鷹亮さん>
「新幹線に乗ってラーメンを1杯食べにくるってすごいパワー。静岡に目的があって他の県から人が来るのは、静岡の盛り上がりにつながってくると思う。その要素の一つに自分がなれたのかなと思うと、このイベントをやってよかったなと思う」
人気ラーメン店とプロレスラーによる「夢のタッグ」は、地元清水の大きなチカラになったはずです。