11月6日、富士山の静岡県側で積雪が確認されました。統計開始以降、過去130年で最も遅い「初冠雪」になると思いきや、気象庁からの公式発表はなぜか、なし。そのワケを取材してみると、まさかの理由がありました。
<三島乾児カメラマン>
「富士山頂の気温は、現在マイナス10℃。富士山にうっすらと雪が降りました」
11月7日の立冬を前に、待ちに待った初雪の便りです。11月6日朝、静岡県内各地で、雪化粧した富士山の姿をみることができました。静岡県富士宮市の田貫湖では、富士山が朝日に照らされ、湖面では気嵐がみられました。
<東京から来た観光客>
「雪景色を見たいねって言っていたところです」
さらに、2024年ならではの光景も。
<富士支局 杉村直美カメラマン>
「富士宮市の白糸自然公園です。こちらでは雪化粧をした富士山とひまわりの共演が楽しめます」
富士山麓の公園では、夏の花、ひまわりと雪の富士山がコラボレーション。絶好のシャッターチャンスとなりました。
<写真を撮りにきた人>
「やっぱりいいですね」
「感動です。何十年も見ている富士山ですけどやはり雪があると感動ですね」
2024年の富士山は、異様な光景が続いてきました。
<三島乾児カメラマン(11月4日)>
「富士山中腹では、紅葉が始まっていますが、山頂付近はまだ夏山です」
平年の初冠雪は10月2日、2023年は10月5日でしたが、2024年は11月に入っても雪が降ることはなく、いまから130年前の統計開始以降、最も遅い記録を更新中でした。これで、ようやく「初冠雪」と思いきや、実は違うというのです。
「雲に覆われていて山頂が…」
お隣の山梨県、11月6日の様子を見て見ると。
<テレビ山梨 三浦正則アナウンサー>
「山梨県甲府市です。本来あれば、ここから富士山の山頂が見えるんですが、きょうは雲に覆われていて、山頂の様子は確認できません」
11月6日は、気象台がある甲府から富士山が見えなかったため、初冠雪は発表されませんでした。静岡では、これだけはっきり見えたのに、なぜ、初冠雪はお預け、となったのでしょうか。
<LIVEしずおか 松下晴輝キャスター>
11月6日の朝は、富士山を見てようやく雪が積もったなと思ったんですが、これは「初冠雪」ではないんですね。
<田中健太郎気象予報士>
静岡県側から富士山の雪が見えても初冠雪の発表にはなりません。山梨県にある甲府地方気象台から目視で確認できた時に初冠雪となります。
<LIVEしずおか 水野涼子キャスター>
甲府から見えないと初冠雪にはならないというわけですね。
<田中気象予報士>
11月6日の午前9時の衛星画像です。白く表示しているところが雲です。静岡県側からは遮る雲がなく、富士山がしっかりと見えていました。一方で、甲府地方気象台からは雲が出ていて、富士山が見えなかったのが分かります。
<水野キャスター>
11月6日に降った雪でも、初冠雪の便りは11月7日以降ということになりそうですか。
<田中気象予報士>
山梨から目視で確認された日が初冠雪となります。そして11月6日、実は雪がさらに降っている可能性もあるのです。レーダーの様子です。夕方になってから静岡県東部・伊豆地方では天気が崩れています。富士山では、さらに雪が積もった可能性もあるでしょう。11月7日に目視で山梨県側から確認されると、観測史上最も遅い初冠雪となります。