“前職同士” 与野党一騎打ちの激しい競り合いに 静岡4区【衆院選2024】

10月27日に投開票される衆院選。静岡市清水区や富士宮市などを選挙区とする静岡4区は、静岡県内で唯一、与野党一騎打ちの構図となっていて激しく競り合っています。

<自民党・前 深沢陽一候補>
「私はまず3期目に向けて、地方の成長、これをしっかりと成し遂げていきたい」

自民党の前職・深沢陽一候補です。望月義夫元環境大臣の死去に伴う4年前の補欠選挙で、後継として初当選を果たし、今回、3期目を目指します。

<有権者>
「頑張ってよ。厳しいからね」

今回は自民党の裏金問題により、逆風の中で、正念場の選挙戦となります。

<自民党・前 深沢陽一候補>
「これからも私個人としてはきれいに正しくやってまいりますというお誓いをさせていただいて、皆さんに信じていただくということでご理解をいただければと思います」

「成長を実感へ。」というキャッチフレーズを掲げ、地方の経済成長や積極的な企業誘致を訴えています。

<自民党・前 深沢陽一候補>
「富士宮の中で、工業団地なども作りながら、若い世代が働く場所を確保しながらここで生活してもらう。しっかりと役割を果たしてまいりたいと思います」

この日は富士宮市にある党の支部で昼食です。

<自民党・前 深沢陽一候補>
「サラダが大好きなんですよね。きのうも夜飯はキャベツをボウルで2杯」

初当選時から3年間は、コロナ禍の影響もあり、こんな声も聞かれたと言います。

<自民党・前 深沢陽一候補>
「お祭りがないじゃないですか。お祭りでやっと人に会えるので。よく言われるんですよ。『望月義夫さんはよく来たけど、深沢は来ない』って、去年、今年はありがたいですよ。行く場所がある」

外務大臣政務官として得た経験を地元に還元し、民間と政治をつなぐ役割を担うとアピールします。

<国民民主党・前 田中健候補>
「石破さんならやってくれるだろう。そんな期待をしましたが、政治とカネの問題も、政策活動費も文書交通費も、何も言及しなくなりました。これでいいんですか、皆さん」

前回の選挙で、比例復活により初当選した国民民主党の前職・田中健候補は、裏金問題を徹底的に批判します。

<国民民主党 玉木雄一郎代表>
「1つだけ悪いところがあってですね、慎ましやかなんですよ、私と一緒で。きょう、富士川の皆さんに私がお願いに来たのは、田中健さんを小選挙区であげてもらいたいんですよ」

与野党一騎打ちの激戦区ということもあり、解散前日と公示日当日に玉木代表が応援に入りました。

<国民民主党・前 田中健候補>
「おはようございます。いってらっしゃい」

午前7時前、毎日辻立ちをし、あいさつをしているという田中候補。スーパーの朝礼にも参加し、基礎控除の引き上げを訴えます。

<国民民主党・前 田中健候補>
「103万円を今回178万円まで上げて、みなさんが就業調整せずに。また頑張りたいと思った時は頑張れるように」

政治資金規正法の再改正を訴えるほか、インボイス制度の廃止や高校までの授業料完全無償化を掲げています。

<国民民主党・前 田中健候補>
「選挙戦2日目となりました。これを食べて午後も頑張ります。これ。チワブル」
<スタッフ>
「『けん』つながり」

和気あいあいとした雰囲気で、2期目の挑戦です。

<有権者>
「政治とカネは国民はもう聞き飽きてるのよ。それよりも、国民の生活、給料をもっと上げて欲しい。ぜひ田中健さんには期待していますから、頑張ってよ!」

大票田となる静岡市清水区では、2022年の台風15号で、長期間にわたる断水が生じるなど、頻繁に水害に見舞われています。地元住民は、今回の選挙において防災対策の強化に期待を寄せています。

<ノンタウン 出口貴士さん>
「昔とは違っていきなりゲリラ豪雨があったりとかするので、莫大な工事費がかかると思うんですけれども、何かお力を借りられたらいいんじゃないかな」

<自民党・前 深沢陽一候補>
「すでに静岡市、静岡県と断水対策においては井戸水の活用とか国の方でも工業用水の活用とか、成功例、新たな策について相談しています。国土強靭化の予算、中期計画を1日も早く作って財源確保します」

<国民民主党・前 田中健候補>
「いま、国交省が地下空間を使った提案をしています。大きな水脈を作るんですけども、今全国でできないかということを検討していますので、そういったことも静岡市や静岡県と連携をしながら調整していきたいなと思っています」

<静岡市政担当 植田麻瑚記者>
今回、静岡4区は静岡県内の小選挙区で唯一、候補者2人による前職同士の対決となっています。前回選挙では3人が立候補し、深沢候補が8万4000票余り、田中候補が4万9000票あまりと大きく差が開きました。

<LIVEしずおか 井手春希キャスター>
2人の対決は今回で3回目となりますが、一騎打ちとなるのは今回が初めてですね。

<静岡市政担当 植田麻瑚記者>
田中候補は自民の裏金問題が追い風となり、前回以上の票を集めることができそうです。深沢候補も危機感を持ち、企業回りなど従来の支持を固めながら、無党派層への浸透も図ります。今回の選挙では、政治とカネを巡る論戦が目立ちますが、有権者の声にあったように、防災対策など選挙区内に横たわる地域課題の解決策も問われています。

「あしたを“ちょっと”幸せに ヒントはきょうのニュースから」をコンセプトに、静岡県内でその日起きた出来事を詳しく、わかりやすく、そして、丁寧にお伝えするニュース番組です。月〜金18:15OA

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