静岡市の家庭から発生する食品ロスは、年間で約1万3000トンにのぼります。さらに、野菜農家は猛暑や豪雨によって、栽培環境が変化し、規格外の野菜が増加していることに頭を抱えています。この2つの問題を解決するべく高校生たちが立ち上がりました。

きつね色が食欲をそそる葉ネギが入った桜エビのかき揚げ。このかき揚げがメインとなった弁当が「ぶちうまいっちゃ弁当」です。実は、この弁当、高校生が考えました。
静岡市の清水桜が丘高校商業科に通う2年生は、授業の中で食品ロスの現状を学んでいます。

静岡市の家庭から発生する生ごみは、年間で約4万4000トンにのぼります。そのうち、30%がまだ食べられる食品ロスで、おにぎりに換算すると毎日およそ24万個を捨てていることになります。
何とか、食品ロスを減らしたいと考えたのが弁当作りでした。そこで目を付けたのが、規格外野菜です。
静岡市駿河区にある中村農園です。

<中村農園 中村正治社長>
Q.こちらは何を育てている?
「これは葉ネギを作っています」
Q. 葉ネギの収穫の時期は?
「葉ネギは、寒さにも強く、暑さにも比較的強いので、1年中採れる」
この農園では、年間約8トンの葉ネギを出荷していますが、2024年は歴史的な猛暑や豪雨によって商品にならないものが増え、頭を抱えています。
<中村農園 中村正治社長>
「この辺のネギは根本から倒れている。根っこが曲がってしまっているので廃棄。先月下旬からの長雨が続いて、急に晴れたりすると倒れてしまう」

多い時には、全体の4割が廃棄される規格外の葉ネギを弁当のメインのおかずにすることにしました。
完成した弁当は、清水エスパルスのホームゲームで販売しました。対戦相手を意識し、山口の方言で「とてもおいしい」という意味を弁当の名前に入れました。
<サポーター>
Q.お弁当どうですか?
「美味しいです。学校のコラボ弁当をいつも買っているけど、これも美味しくて良いです」
用意した350食は、約3時間で完売しました。

<弁当の製造を担当 こう月 山崎くるみチーフマネージャー>
「高校生が販売して、自分たちが作った物が実際に売ることができた喜びは経験になるのでうれしいです」

<商業科2年 鈴木勇翔さん>
「フードロスは世界全体の問題なので、小さな力ですけど、自分たちの声が多くの人に届けばいいなと思っている」

