リニア中央新幹線のトンネル工事をめぐる静岡県の専門部会に新たな可能性が示されました。工事で発生する残土置き場の候補地「ツバクロ」の真下に断層があると推定され、静岡県や委員はJR東海に苦言を呈しました。

リニアのトンネル工事に伴う水資源などへの影響を議論する静岡県の専門部会。9月6日は、工事で出る残土の置き場について重点的に話し合いました。
候補地の1つである「ツバクロ」については、深層崩壊などのリスクが指摘されている中、JR東海が示した地質の図から真下に断層がある可能性が新たに分かりました。
<静岡県 森貴志副知事>
「断層の真上に発生土置き場があるということになる。今回、初めて示されたので、少しお互いの信頼関係が損なわれるのではないかと危惧している」

<JR東海静岡工事事務所 永長隆昭所長>
「断層の有無が盛り土の計画や設計に影響することはないと考えており、これまで対話の議論の俎上にあげることはなかった。ご心配をおかけする可能性があるものだったというふうにお詫びをして、反省している」
静岡県や委員からは断層の特性を把握した上で、地震による影響などを調べる必要があるという意見が出ました。
<静岡県専門部会 森下祐一部会長>
「私ども委員、それから静岡県も含めて大変驚きを持って受け止めた。きちんと調査していただいて、専門部会で議論していく必要がある」