「怖い」「体験できて良かった」災害の恐ろしさ高校生が体感 IT技術で地震や津波を学ぶ【わたしの防災】

地震の揺れの大きさや津波が襲う速さを体験できる、最新型の装置を静岡県内のIT企業が開発しました。その技術を高校生が体験し「災害の恐ろしさや備えの大切さ」を学びました。

<高校生の挑戦>
「さあ、頑張れ!逃げろよ」
「あと40m、あと30m」
「後ろ振り向いてみて」

<高校生>
「逃げられなかったです。すごい後ろを向いたら、すぐ津波が来ていて、ここで体験できて良かったです。怖いですね」

自転車で逃げながら、津波の速さを体感できる装置です。静岡新聞SBSのプロジェクトTeamBuddy(チーム・バディー)のイベントで島田商業高校と静岡城北高校の生徒約10人が挑戦しました。

前方と後方を映したカメラのほか、VR=バーチャルリアリティのメガネをかけると頭の動きに合わせて、周りの景色が動きます。

<高校生の挑戦>
「がんばれ、がんばれ」
「いける、いける。めっちゃ速い。30m、行くんじゃない」

男子生徒は全速力。しかし、力尽きます。

教諭も挑戦。

<教諭>
「よし、よし、よし、通りを越えるぞ」

<生徒>
「あー無理だ」
「津波が」

<教諭>
「逃げ切れませんでした。体力を一生懸命発揮したつもりなんですけれど、やはり津波は速いんですね。かないませんでした」

<企業の担当者>
「これの教訓は、平面的に逃げるのではなくて、とにかく津波が来たらビルの上とか、高いところにすぐ逃げてくださいと」

<高校生>
「じゃあ、自転車から降りて逃げなさいと」

立体型の地形図に津波のシミュレーションなどを投影できる装置も紹介されました。

<企業の担当者>
「浜名湖は10分ぐらいかな、震源域から近いので、すぐ津波が来ます。駿河湾もすぐ来ます。だから逃げる余裕があまりないので、とにかく高いビルの上へ」

卵型の装置は地震のシュミレーターです。住所を入力すると、想定される南海トラフ地震などの揺れをVRで体験できます。

浜松の企業が開発に関わり、もともとスポーツ選手の目線を体感できる装置だったものを防災に応用しました。

<企業の担当者>
「はい、地震が発生しました」

先ほどの自転車と同じように、頭の動きに合わせて風景が動きます。

<高校生>
「ガタガタ揺れて、立っていられないだろうなと思いました。これいいですね、めっちゃ」
「いまは座っていたけれど立っていたら絶対倒れちゃうくらい振動がすごくて怖いなと思いました。すごい光景がリアルで、より地震の振動の恐ろしさが伝わってきました」

地震や津波は、普段、体験できないからこそ、VRの技術が生きてくると企業の代表者は話します。

<クロスデバイス 早川達典代表>
「VR技術を使うことで皆さんが地震に対して、より身近に感じてもらいながら、防災の意識を高めてもらうことが目的で作った」

また、社員の安否確認や家族との連絡手段として多くの企業が採用しているアプリも紹介されました。こちらは静岡市の企業の製品です。若い世代に防災のIT技術を知ってもらうことは企業にとっても貴重な機会だといいます。

<アドテクニカ 下村聡社長>
「IT企業は、ほとんどが首都圏、東京に行ってしまうので、地元を盛り上げる意味でも、地域創生のDXでもっともっと静岡の地場に根ざした形で地元に貢献していく」

静岡生まれのIT=情報技術が防災の分野で活躍の場を広げています。

「あしたを“ちょっと”幸せに ヒントはきょうのニュースから」をコンセプトに、静岡県内でその日起きた出来事を詳しく、わかりやすく、そして、丁寧にお伝えするニュース番組です。月〜金18:15OA

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