湿った南風と北からの冷たい風がぶつかり前線が…24時間で318ミリも猛烈な雨が降ったワケ【気象予報士解説】
静岡県内に暖かく湿った空気が流れ込み、大気の状態が不安定となった影響で、8月23日未明、静岡市駿河区で1時間に93ミリの猛烈な雨が降ったほか、清水区では24時間で318ミリという8月としては、観測史上最大の雨量を観測しました。なぜ、ここまで大量の雨が降ったのか、田中健太郎気象予報士が解説しました。
<田中健太郎気象予報士>
「静岡市中心部で猛烈な雨が降っていた頃、23日午前2時のレーダーの様子です。台風由来の非常に湿った南風が吹いてきていて、活発な雨雲が発生しているのがわかります。そして、夜になって気温が下がってきたことで、北にある山からは冷たい風が吹いてきていました」
「この風同士がぶつかり続けたことで、ちょうどこのあたりで局地的な前線ができ、大量の雨が降ってしまったと考えられます。これは静岡県で大雨が降るときの典型的なパターンの一つなんですが、2024年はいつもの年よりも気温が高いことで、空気中の水蒸気はいつもよりたっぷりとあって、記録的な雨の降り方につながったと考えられます」
「湿った空気の原因である台風10号の進路予想図です。現在はまだ南海上を離れたところを進んでいますが、これから海水温度の高い所を通ってきますので、発達してやってきます。月曜日には非常に強い勢力でこの辺りまでやってきて、27日には少し勢力を弱めますが、強い勢力で四国や紀伊半島に近づくおそれがあります」
「そして、来週の水曜日には、静岡県に直撃するおそれがあります。来週に掛けての予報をみると、24日から26日にかけて急な雨や雷雨に注意が必要です。そして、台風が最も近づく27日から28日にかけては荒れた天気に警戒が必要となります。最新の情報に気をつけてください」
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