静岡県富士宮市の「陣馬の滝」近くの遊水池に、水車が新たに設置されました。水車がある懐かしい風景を復活させたいという地元の思いに応え、官民が連携して取り組みました。
富士宮市が誇る湧水の里、猪之頭の「陣馬の滝」の遊水池でお披露目されたのは、地元の「富士ヒノキ」で作られた水車です。
「ふじのくに美しく品格のある邑」にも選ばれる猪之頭地区。
<猪之頭の湧水・水車活性化推進協議会 佐野順一代表>
「昔は、ああいう大きな水車で製材をひいたような、跡が残っている水車」
湧き水が豊富な猪之頭では、かつては20か所以上で水車があったといいます。しかし今では、3か所のみ。いずれも使われていません。
水車のある懐かしい風景を復活させたい。その思いに賛同した静岡県や建築の学校、企業などが手をあげました。
水車は、建築を学ぶ地元の学生が、設計から製作までを担当しました。
<日本建築藝術大學校 白水宗一さん>
「飛び出ている、ほぞの部分ですね。のみとかんなで加工をしている学校なので、のみを使って、ほぞ穴をあけて、外から見ても水車らしく見えるように工夫をしました」
お披露目会を前に、完成した水車を設置してみると。
<地元の人>
「水が届かない」
「勢いよく届かないと、これが回らない」
水車に水が届かず、回らないというハプニングです。
<地元の人>
「このぐらいだね。まだ上をあげたいね」
石を積み重ねて、水の流れなどを調整。水車は無事に回りました。
<日本建築藝術大學校の学生>
「実際こうやって、実物大で回ったので一安心という感じです」
<日本建築藝術大學校 白水宗一さん>
「子どもたちとか地域の人が集まってくれる場所。陣馬の滝にも水車があったよねと話題になったらいい」
<猪之頭の湧水・水車活性化推進協議会 佐野順一代表>
「今はスピード感をもって時間が動いている。でも、やっぱりゆっくりとした時間というのは、昔のことを思い出して、ちょっと水車を見ながら、そういう時間を作ってもらうと、心にも余裕ができるんじゃないかな」