2024年7月には1ドル=161円の歴史的な円安となった円相場ですが、8月16日は1ドル=149円でした。輸入品が多いワイン店などはこの激しい値動きを様々な方法で乗り越えようとしています。

静岡市のワイン専門店です。オリジナル商品で長引く円安を乗り越えています。
<加藤慶郎 業務部長>
「例えばこちらの商品なんですがカリフォルニアのナパという有名な産地のワインなんですが、通常価格より半分近くの価格で客に提供できるようになった」
ナパ産のワインは凝縮された果実味とコクや深みがある味わいです。
円安で仕入れ値が上がる中、この店では現地のぶどう農家とともに開発したオリジナル商品を主軸にし、値段を抑えたワインを提供しています。

<加藤慶郎 業務部長>
「もちろん円安より円高に進む方が輸入会社としてはいい」
激しい動きが続く円相場。8月16日は1ドル=149円となり再び円安傾向になっています。
経済の専門家は物価への影響をこう話します。

<恒友仁 専務理事>
「円安が落ち着けば輸入物価が落ち着き、私たちが買い物する物価も落ち着いてくると言える。ただ160円に向かう円安や急激に10円20円、円高に進むなど大きな変動は好ましくない。為替相場の動きはこれからもちゃんと見ていかないと判断できない」

静岡経済研究所によりますと、県内企業の過半数が円安の影響で業績は大きなマイナスになっていると答えています。
静岡市の老舗洋菓子店です。為替の変動は経営戦略を大きく左右するといいます。
<井手春希キャスター>
「Q.洋菓子は輸入品をたくさん使うと思うんですけど、どんなものが値上がっていますか?」

<ぷるみえーる 牧野良弘取締役>
「バナナとかオレンジ、グレープフルーツ、キウイは全部輸入なので安くならないですね」
<井手春希キャスター>
「Q.他には?」
<ぷるみえーる 牧野良弘取締役>
「一番、顕著に出ているのはチョコレートですね。2000円で入っていたのが(8月から)5800円」
<井手春希キャスター>
「2倍以上、3倍近く…」
原料のカカオは天候不順による不作と、円安のダブルパンチで負担は増しています。
<井手春希キャスター>
「Q.大量に仕入れることはしない?」
<ぷるみえーる 牧野良弘取締役>
「1か月、2か月分買ってくださいとはメーカーさんから言われますが置く場所の問題もあるし」
他にも2023年から小麦粉や砂糖など、洋菓子に必要な材料の値上げが続いています。厳しい状況の中、打開策を考えています。

<ぷるみえーる 牧野良弘取締役>
「僕らは小売りなんですけど、工場があるので、いろんなやり方がある。あまり悲観的には考えていない」
円相場が不安定な中、今後は他社から委託を受けて商品を作ることも視野に入れ、対策を練っています。
静岡経済研究所の恒友さんに、いつになったら物価高が落ち着くか聞いたところ、輸入物価が消費者物価に反映されるのが3か月から半年くらいと言われているので、年末くらいから実感が湧いてくるだろうと話していました。