第106回全国高校野球選手権静岡大会は7月29日が決勝戦。聖隷クリストファーと掛川西が激突しました。106回目の静岡の夏を制したのは、西部の伝統校・掛川西でした。
ノーシードから春夏通じて初の甲子園を狙う聖隷クリストファーと、26年ぶりの優勝を狙う掛川西の決勝戦。1回裏、聖隷はランナー一、三塁のチャンスで5番稲岡。初球を振り抜いた打球はライト前へのタイムリーヒットとなり、聖隷が幸先よく先制します。
スタンドには、聖隷クリストファーの甲子園行きを願うOBの姿もありました。
<聖隷クリストファーOB 保坂将輝さん>
「僕たちは優勝したが(甲子園に)出られなかったので、もうとにかく出て欲しい甲子園に。初めてなので甲子園が」
彼らは、2020年に新型コロナの影響で甲子園が中止になった世代。聖隷は静岡県の独自大会で優勝しましたが、夢舞台への出場は叶いませんでした。しかし、2023年行われた交流イベントで、3年越しに甲子園の土を踏んだ彼らは、後輩たちに特別な思いを持っていました。
<聖隷クリストファーOB 竹下楓介さん>
「自分たちも一度甲子園に行く機会があったので、それをふまえた上でみんなにも行ってほしいなと思う」
2対2で迎えた4回、聖隷は満塁のピンチを迎えます。掛川西は、前の打席で2点タイムリーヒットを放った杉山。聖隷のエース・袴田は、準決勝まで防御率1.06と安定感を見せてきました。低めをすくい上げた杉山の打球は右中間へ。2打席連続となるタイムリーは、走者一掃のスリーベースヒット。掛川西の3点リードとなります。
反撃したい聖隷は5回、先頭の2番・渡邊輝。この日、2本目のヒットで出塁。その後、三塁まで進むと、初回に先制タイムリーを放っている5番稲岡でしたが、ここはチャンスを物にできません。
ゲームは終盤、掛西2番鈴木がホームランを放つなど5点差に。迎えた最終回、聖隷の攻撃。掛西のエース・高橋は、聖隷打線に二けた安打を許しながらも、2失点完投。掛川西が実に26年ぶりに、夏の甲子園の土を踏みます。

⚾決勝戦=草薙球場
掛川西 020 300 011=7
聖隷クリストファー 101 000 000=2
(掛)高橋-堀口
(聖)袴田,高部,袴田-井上
<本塁打>
鈴木(掛)
<掛川西・山下陸人主将>
「秋に初戦で負けて、その日からこの夏に懸けてこの夏に絶対にとるんだという気持ちで毎日必死に取り組んできましたので本当に優勝できてうれしいです」
<掛川西・大石卓哉監督>
「今までやってきた通り、地道にコツコツ練習をやって甲子園の土を踏みたいと思います」