高級ブドウの「シャインマスカット」。その美味しさで人気の品種ですが、粒の形に影響を及ぼす「未開花症」が全国的に問題になっていて、静岡県内の農家の間でも不安が広がっています。
浜松市中央区のフルーツパーラーです。この時期、特に注目を集めるのがシャインマスカットをふんだんに使ったパフェです。粒がしっかり硬くて、甘みの強いシャインマスカットは果物としても人気です。
<まつもとフルーツ 松本光由社長>
「これからいろんな県、もちろん地元のシャインマスカットも出てきますので、果物屋にとっては主力商品です」
シャインマスカットは暑さが本格化するとともに収穫の時期を迎えます。浜松市浜名区の三ケ日地区にある高平農園では、9年前からシャインマスカットを栽培しています。三ケ日地区の生産者はブランド化を目的に品質の向上を図っていますが、その一方で不安を抱えています。
<高平農園 高平政和さん>
「アレが出るとちょっと経営というか、生産量が減ったりとかが気になります」
「アレ」と話すのは、全国で相次ぐ未開花症です。未開花症とは、花を覆う花冠がとれず、正常に開花しないことで果粒が大きくならない症状です。一番の問題は原因がわからないこと。これが農家の不安を深刻にさせているのです。
<高平農園 高平政和さん>
「原因自体がわかってないと対策が施されない。こういう原因があるからこういう対策をしましょうというのが難しい状況ではありますね」
三ケ日地区ではこれまでのところ未開花症は確認されていません。
いま、農家にできることは基本に忠実に栽培を進めること。高平さんは有機100%の肥料の量やハウス内の気温管理などを徹底することで質が高いシャインマスカットをたくさん育てたいと意気込みます。
<高平農園 高平政和さん>
「農家の不安を取り除くような原因究明をできるだけ早くやってほしい。それによって農家も対策できるところに達するのでぜひやってほしい」
美味しいシャインマスカットを育てる農家を守るためにも、行政や研究機関にはいち早い原因究明が求められます。