海外での人気の緑茶をより効率的に輸出するため、新しい取り組みが清水港で始まりました。キーワードは「相乗り」。コスト削減の切り札です。
<山下萌愛記者>
「こちらに積まれている段ボール。中には、静岡茶がつまっています。今からコンテナに積まれてアメリカに向かいます」

静岡市清水区の清水港では、輸出される静岡県内産の緑茶がコンテナに積み込まれていました。
海外ではいま、空前の和食ブーム。健康志向の高まりで、日本の食べ物が人気を集め、緑茶も人気を博しています。
<静岡県お茶振興課 佐田康稔課長>
「日本茶、緑茶という形での需要が高まっていることから、できるだけ多くの静岡茶をアメリカへ輸出して消費してもらうことを考えている」

実際、緑茶の輸出量と輸出額は伸びていて、2022年度の輸出額は過去最高の219億円となりました。
一方で、近年はガソリンなどの高騰で輸送コストがかさみ、好調な輸出に水を差しています。

その対策として打ち出されたのが、「相乗り」による輸出です。相乗り輸出とは、複数の会社の荷物を1つのコンテナなどにまとめて運ぶこと。コストを各社で分担し、効率的な輸送を実現できます。
11月15日は2つの会社の緑茶を清水港で1つのコンテナにまとめ輸出する実証実験が行われました。
<静岡県お茶振興課 佐田康稔課長>
「静岡茶を輸出拡大していくには、県内のお茶屋、生産者など一丸となって取り組んでいかなければならない」
海外に活路を見出そうとする茶業界の後押しになるか。「相乗り輸出」は、静岡茶復活の1つのカギを握ります。