<遠藤一郎さん>
「ご無沙汰しております」
<長太のご主人 鈴木長志さんの奥さん>
「いらっしゃいませ」
<遠藤一郎さん>
「やっと出来上がったものですから、これがビニールのパッケージでお孫さんの絵をモチーフにして」
<鈴木さんの奥さん>
「かわいいですね」
<遠藤一郎さん>
「この2つが入って売り出す形で」
今回の「しずおか産」は冷凍食品として復活!「長太の肉チャーハン」です。
<長太の店内(2015年)>
「肉チャーハンお待たせ致しました」
静岡県東伊豆町稲取の町中華の店「長太」。とろみのある肉と野菜をたっぷり盛った肉チャーハンは看板メニューとして知られていましたが…。
<住民>
「昔やっていた頃はよく食べた。突然、閉まっちゃったので、もう食べられないってガッカリ感はすごくありました」
「おやじさんに教わって誰か店を継いでくれないかって思ったくらい好きだった」
30年もの間、多くの人に愛されてきた長太でしたが、ご主人の鈴木長志さんが脳梗塞を患い、2021年、閉店したのです。
長太の肉チャーハンを惜しむ声に応えたい。手をあげたのは店の常連で、仕出し弁当を製造する会社「クックランド」の会長、遠藤一郎さんでした。商品化するまでに1年ほどかかったと言います。
<遠藤一郎さん>
「このスープが直伝のスープになりまして、鶏ガラのスープが基本。全体の野菜・肉の下味をつける」
長太の肉チャーハンはキャベツやニラ、ニンジン、厚く切った豚バラ肉など、具の存在感を出すのが特徴です。2022年、レシピを引き継ぐため社員が長太に通い、調理方法、スープづくりなど鈴木さんから手ほどきも受けました。
<遠藤一郎さん>
Q.作っていただいた肉チャーハン、長太さんの味ですね?
「野菜の形、大きさ、グラム数も長太さんの指定の通り作っております」
Q.弁当の専門店だからこその設備、施設もなくてはならなかった?
「そうですね。冷凍から電子レンジで(温めて)食べる方式なものですから、仕出し屋の機械がなければレトルトは難しかったのかな」
電子レンジで温めて食べる長太の肉チャーハン。パラパラに炒めたごはんと、肉や野菜などの具材はそれぞれ真空パックにします。そして、マイナス30度で急速冷凍し、おいしさを閉じ込めました。冷凍食品として復活した「長太の肉チャーハン」。ご主人と奥さんに味見をしてもらいました。
<鈴木長志さん>
「いただきます」
<遠藤一郎さん>
「野菜のシャキシャキ感を何とか残せたかなと思ってます。冷めると心配だったんですけど」
<鈴木さんの奥さん>
「大丈夫ですよ」
<鈴木長志さん>
Q.再現した長太の肉チャーハン、どうでしたか?
「そうですね、こうして形に残してもらえただけでうれしいです」
<遠藤一郎さん>
「お店は残念ながら閉まってしまいましたが、長太のお父さんとお母さんの思いだけではなく、この店のファンに恥じない安定した味をお届けできたらなと」