週刊静岡経済 5月30日

 こんにちは。きょうは梅雨の晴れ間で、洗濯物がよく乾きそうですね。きれいなアジサイを道端で見かけました。
 日曜日の「知っとこ」は「週刊静岡経済」。「あなたの静岡新聞」編集部がピックアップした記事で、直近1週間の静岡県内の経済の動きを振り返ります。
 〈静岡新聞社編集局TEAM NEXT・寺田将人〉

スルガ銀行、野島副会長退任 ノジマとの対立深まる

 スルガ銀行は27日の取締役会で、筆頭株主である家電量販大手ノジマ(横浜市)の社長で、同行副会長の野島広司氏(70)が退任する人事を決めた。6月29日開催予定の株主総会での議決を経て正式決定する。同行の経営再建を巡る両社の対立が決定的になった格好で、資本業務提携の解消に向けた協議が加速しそうだ。

スルガ銀行
スルガ銀行
 野島氏の退任は、複数の取締役の交代を求めたノジマ側の人事案に対し、スルガ銀が拒絶したためとみられる。スルガ銀は生え抜きで前社長の有国三知男会長(55)も退任する。嵯峨行介社長(56)らは引き続き経営陣にとどまる。
 両社の関係を巡っては、シェアハウス問題の早期解決やコンプライアンス重視の組織改善を急ぐスルガ銀と、金融にインターネットや物販を融合させた新たなビジネスモデルの転換を目指すノジマとの間で意見がかみ合わず、対立が深まったとされる。両社は昨年5月に締結した資本業務提携の解消に向けた協議を進めるもようで、提携解消の場合、ノジマは、18・52%を保有するスルガ銀株を売却する可能性がある。経営再建の途上のスルガ銀にとって、痛手になりかねないとの指摘もある。
 ノジマは2019年10月、スルガ銀の創業家が保有していた全株式を取得し、筆頭株主になった。野島氏は昨年6月から、代表権のないスルガ銀の社外取締役と副会長に就任していた。
 スルガ銀は「本日の取締役会での具体的なやりとりは公表できない。ノジマとの資本業務提携に関しても、現時点で決まったことはない」としている。
 
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野島広司氏(ノジマホームページより)
 

オフィス市況低迷長期化 静岡県内、在宅勤務広がり下振れ懸念も

 新型コロナウイルス感染拡大で、静岡県内のオフィス市況の悪化が長期化している。日本不動産研究所が25日までにまとめた4月の空室率DI(「改善」から「悪化」を引いた回答割合の指数)は、静岡市がマイナス21・0、浜松市がマイナス27・8と影響が表面化した前年同月の調査以降、低迷したまま。先行きは改善を見込むが、在宅勤務の広がりに伴うオフィス縮小の動きを背景に下振れする懸念もある。

オフィス空室率DIの推移
オフィス空室率DIの推移
 両市の中心部に大型オフィスビルを所有しているオーナーや賃貸業者から聞き取った。静岡市の空室率DIは過去最低だった20年10月の前回調査からさらに1・0ポイント悪化した。オフィスビル低層階の飲食店などの業況が悪化し、空室が埋まらない状況が続く。
 鈴木隆史静岡支所長は「事務所を縮小する動きは首都圏で顕著。秋の次回調査で静岡市でも影響が表面化してくる可能性がある」と指摘する。
 浜松市の空室率DIは2・2ポイント改善した。静岡市と比べて地元企業が入居している割合が高いため一段の悪化は見られず、底入れ感が出ている。成瀬智也浜松支所長は「賃料の低下で中心部回帰の動きもあり、悲観的な声が減った」と話した。
 半年後の先行きは静岡市がマイナス15・8、浜松市はゼロ。「ワクチン接種が進めば市況が改善する」などの声が上がり、期待感が広がっている。

静岡空港利用の修学旅行 牧之原市が小中学校補助へ 航空業界支援

 新型コロナウイルス禍で利用が落ち込む航空業界の支援と児童生徒の思い出作りを目的に、静岡空港が立地する牧之原市は28日までに、本年度に同空港を利用して修学旅行を実施する市内小中学校に補助金を交付することを決めた。事業費750万円を盛り込んだ市一般会計補正予算案を、市議会6月定例会に提出する。

静岡空港=牧之原市(静岡新聞社ヘリ「ジェリコ1号」から)
静岡空港=牧之原市(静岡新聞社ヘリ「ジェリコ1号」から)
 修学旅行に参加する児童生徒と引率教員を対象に、1人3万円分を補助する。20年度は政府の観光促進事業「Go To トラベル」を活用した上で、市内3校が空港を利用して修学旅行を実施した。本年度は同事業の再開のめどが立っていないことや、空路を利用した方が新型コロナウイルスの感染対策を徹底しやすいことを踏まえ、市として補助金を出す方針を固めた。
 20年度に市内からの修学旅行の行き先となったのは、フジドリームエアラインズが就航している鹿児島県と島根県出雲市。鹿児島県では、知覧特攻平和会館での平和学習や、農作業の効率化が進む大規模茶園の見学を実施。観光客に人気の砂蒸し風呂も体験した。
 静岡空港の20年度の搭乗者数は国内線のみの11万7240人で、総搭乗者数は前年度比で84%減った。21年度も低調な利用状況が続いている。
 学校側は今後、保護者の意見などを踏まえながら旅程の検討を行う。空港利用の希望が多ければ、市は追加の補正予算を組むことも視野に入れている。杉本基久雄市長は「お膝元の自治体として空港を支援できれば。子どもたちの思い出作りにもなる」と話している。

焼津・さかなセンター 出店者組合が解散 コロナ影響で入場者激減

 焼津市の観光施設「焼津さかなセンター」の出店者でつくる協同組合が27日、解散する方針を決めた。新型コロナの影響に伴う入場者数の激減で、組合員の減少に拍車がかかり、これ以上の運営は困難と判断した。施設は存続し、出店者の店舗営業も続ける。組合の業務は、施設を運営する「焼津水産振興センター」に移管する。

出店者の協同組合解散後の業務の流れ
出店者の協同組合解散後の業務の流れ
 同組合が27日に施設内で開いた通常総会で決定した。出席者によると、参加した会員25人から異論は出なかったという。
 同組合の会員数はピーク時は70人ほどだったが徐々に減少し、現在35人で前年に比べて7人減少した。新型コロナの影響で各店舗の経営が厳しくなり、組合費の支払いが負担となっていた。組合が担っていた宅配の取り扱いや一般客を対象にした誘客イベントの企画などの業務は運営法人が引き継ぐ。
 良知一哉事務局長は「出店者組合は解散するが、焼津さかなセンターは存続する。引き続き利用してほしい」と呼び掛けた。